バスケットボール男子日本代表を描いた「BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち」が、スポーツドキュメンタリー映画としては異例のヒットとなっている。
日本代表とBリーグを筆頭に、ますます人気の高まる男子バスケだが、一方で汚点を残したまま最前線から去っていくプレイヤーがいる。
それが、Bリーグ1部(B1)の川崎ブレイブサンダースのPG/SGとして10シーズン、チームの顔として活躍した藤井祐眞だ。6月17日、川崎は藤井との契約満了を発表し、藤井自身が同じくB1の群馬クレインサンダースへの移籍を報告した。
この発表に、直後はブースター(ファン)は驚いたようだが、その後はねぎらいの言葉以上に「やっぱりな」「速攻でクビだった」など、妙に冷めた反応が多くなってしまった。
だが、それは当然だろう。藤井は6月12日に「文春オンライン」で、チームマスコットとして活動していた、グラビアアイドル村島美悠と度重なる不倫逢瀬を繰り返していたことが明るみになった渦中の人だ。
藤井の〝不倫スロー〟が報道されると、ブースターが彼の推し活タオルを「捨てた」とSNSで報告するなど、批判が殺到。藤井はX上で謝罪したが、「もう応援できない」とブーイングが止むことはなかった。スポーツライターが話す。
「報道直後に、12名程度しかロスター(出場できる選手)がいないバスケでは、解雇になっても不思議ではない不祥事だと話しました。やはり、そうなりましたね。表向きは契約満了、同じB1チームへの移籍ですが、藤井本人が『移籍する決断をしました』と話しているように、チームにいられない空気を感じたはずです。川崎にとっては痛い放出ですが、ファンとさらに盛り上がって収益を上げるチームの未来を考えた場合、女性ファンの忌み嫌う不倫プレイヤーがいることが、いかに現在のBリーグにとって不利益であるかという証明ですね。では、獲得する群馬はどうなのか。群馬はプレーオフ初進出という明確な目標があります。所変われば何とやらではありませんが、ブースターも『一から出直せよ』という空気になるはず。藤井の入団は確実に戦力アップですから、最悪の不倫報道のわりには、ベストに近い移籍だと思われます」
そんな藤井の有無を言わせぬ移籍で、川崎ブースターが確信したことがあるという。前出のスポーツライターが続ける。
「ブースターの中には去年の阪神タイガースのように『アレ』というワードを使っている人がいますが、Bリーグでの移籍先が推測されている、元NBAの渡邊雄太の川崎入団を確信したというわけです。メディアや一部のブースターの間では、藤井の不倫報道の扱い次第で、渡邊の川崎入団の可能性が高いか低いかわかるという声がありました。今回、不倫報道からわずか5日で契約満了を発表。チームと本人は不倫には触れていませんが、外堀は埋まったという感じですね」
渡邊の移籍先発表は早くてもパリ五輪後の予定。もちろん、入団を確信しているのは一部の川崎ブースターだけだが、まさか、これまでチームの顔だった藤井の不祥事がトリガーになるとは、何とも皮肉な話だ。
(飯野さつき)