6月29日から本格的な夏のローカル競馬が始まる。関東圏は福島、関西は小倉開催である。ハンデ戦が多く、馬券的には玄人好みの比較的難解なレースが多く、面白みがある。
その開幕を飾るのは、関東はラジオNIKKEI賞で、関西のメインは北九州記念である。両レースとも悩ましく、絞りづらい重賞だ。それだけ顔ぶれが多彩で目移りするからだが、簡単に決まらないということは、高配当が見込めるということになる。
まずは、ラジオNIKKEI賞のデータをひもといてみよう。
02年(当時はラジオたんぱ賞)に馬単が導入されて以降、これまでの22年間、その馬単による万馬券は9回(馬連で5回)。この間、1番人気馬は4勝(2着3回)、2番人気馬は6勝(2着2回)。1、2番人気馬でのワンツー決着は2回のみだ(ともに2番人気馬が勝利)。
ハンデ戦だけに背負う斤量が勝敗のカギを握っているのだが、最も連対を果たしているのは54キロの9勝(2着7回)。続いて55キロの6勝(2着6回)。あとは56キロが3勝(2着3回)、53キロが2勝(2着5回)と、だいたいこの斤量を背負った馬が勝ち負けしている。なので、あまりハンデの軽い馬や重い馬に目を向ける必要はない。
それと、出走頭数が少ないこともあるが、過去22年間で牝馬の連対は、2着が1回あるのみ。想定の段階で牝馬は見られないが、もし参戦してきたとしても、牡馬を上位に取りたい。
では、顔ぶれを見てみよう。クラシックを賑わせた一線級と言える馬はいない。ただ、将来性を見込める素質馬は多く、スプリングS2着のアレグロブリランテ、青葉賞5着のウインマクシマム、アーリントンC6着のオフトレイル、青葉賞4着のサトノシュトラーセ、弥生賞3着のシリウスコルト、札幌2歳Sを制したセットアップ、白百合Sを勝ったミナデオロといったところが人気を背負いそうだ。
ただ、いずれも絶対視できる存在ではなく、しかもハンデ戦。どう転ぶか、予断は許さない。
穴党として最も狙ってみたいのは、ポッドテオだ。畠山厩舎はウインマクシマムとこの馬の2頭出し。人気はウインに譲るが、この馬も負けてはいない。1勝クラスを勝ち上がっての前2走は、アーリントンC5着、プリンシパルS9着。なので、ここでの評価は低いが、穴党としては歓迎である。
なかなかの頑張り屋で、相手なりに走るところが魅力の馬。この中間も順調そのもので、1週前の追い切りも軽快でリズミカルだった。力を出せる状態なら、断じて軽視は禁物だ。
「ここを目標に仕上がりは悪くない。折り合い面で多少、難はあるものの、小回りはいい」と、畠山調教師も期待感を口にする。
5代母は仏1000ギニー、仏オークスの勝ち馬で、血統的背景もいい。ハンデは恐らく53キロ〜54キロ。一発があっても不思議はない。
逆転候補に挙げたいのは、ログラールだ。こちらも1勝クラスを勝ち上がったばかりで、ハンデは恐らく53キロ止まりだろう。
母ディアデラマドレ、祖母ディアデラノビアは共に重賞勝ち馬で、素質はかなりのもの。この中間、さらに良化気配にあり、1週前の追い切りも文句なしだった。チャンスは十分だ。
北九州記念は、ナナオに期待する。3歳馬ということで、軽ハンデは間違いなく、母系は北米のGⅠ血統(祖母はGⅠ勝ち)。休み明けを一度叩かれて大幅な良化ぶりを見せており、折り合い面でも進境が窺える。勝機とみた。