プロ野球ファンがこれほど疑心暗鬼になった出来事も珍しいのではないだろうか。「不倫ストーカー騒動」である。
7月2日、X上に突如として〈明日のお昼12時に文春からプロ野球“若手主砲”のネットナンパ不倫ストーカー記事が出ます〉と投稿された。これに各球団ファンからは「ウチの選手は大丈夫か」などという声が出たのである。とりわけ中村奨成の2度にわたる不倫騒動に振り回された広島ファンからは「またか!?」と不安の声が相次いだ。
しかし一方で「若手主砲」というキーワードに「ウチに若手主砲はいないでしょ」と楽観視するファンも現れ、侃々諤々の議論が繰り広げられたのだ。
ほどなくして当事者は、西武の岸潤一郎だと判明したが、西武ファンの心中は複雑だったようだ。西武は昨年、山川穂高の「強制性交事件」で大揺れしたばかり。広島ファン同様「うちには主砲はいない」と楽観視していたが、フタを開けてみれば岸だったというのだから、やれやれという気持でいっぱいだったのではないか。スポーツライターが語る。
「岸は2021年にも文春砲の一撃を受け、ネットナンパ不倫が発覚しています。球団から警告を受け、丸坊主にして反省の態度を見せました。ところが女グセはまるで改善されていなかったことになりますね」
今回の報道によれば、SNS上でナンパ行為に及んだ岸はその女性と肉体関係を持ち、逢瀬を重ねた。やがて関係を絶とうとする女性を説得し、妻との離婚をほのめかす。揚げ句にケンカになると、その女性を「ストーカー」に仕立て上げて警察に通報し、女性は警察の事情聴取を受ける「でっち上げ被害」に遭った。その後、岸は音信不通に――。
岸は今季ここまで50試合に出場して打率2割6分1厘、5本塁打、18打点をマーク。今年28歳になることや、その成績からは、決して「若手主砲」とは言い難いが、貧打にあえぐ西武の中でOPS.699はトップの数字だ。ここ最近は4番を任され、コンスタントにヒットを放っていた。
岸と不倫相手は現在、代理人を立てて慰謝料の交渉中だという。「若手主砲」の定義は極めて曖昧だが「もしかして…」とヒヤヒヤさせられた他チームのファンにとってみれば、とんだお騒がせだったことだろう。
(ケン高田)