元明石市長の泉房穂氏が7月9日、自身のXを更新し、都知事選候補だった前安芸高田市長の石丸伸二氏のテレビ対応に異議を唱えた。
それは、投開票日に放送された「Mr.サンデー 〝七夕決戦〟都知事選SP」(フジテレビ系)で、石丸氏に質問をした元乃木坂46の山崎怜奈を徹底的にやり込めたことについてだった。
泉氏は、山崎について「何も間違ったことを言っていない」と擁護し、本人はかなり驚いたのではないかと指摘した。そして、それでも臆さず「すみません、勉強不足で」「教えていただけますか」と、誠実な対応をしたことを評価。だが、それを無下にする石丸氏の対応を「不思議でならない」と、首を傾げた。週刊誌記者が状況を説明する。
「山崎は、石丸氏の公約の内容を見たうえで質問を考えたようですね。その中で、小池百合子氏の『0公約』と同じで、石丸氏の公約に『国政』と『都政』の混同が見受けられたと指摘しました。そこで、石丸氏が今後やりたい政治は、国政レベルなのか都政レベルなのか、どちらに重きを置いているかを聞いたわけです。視聴者の多くは『いい質問だ』と感じたようです。ところが、石丸氏は薄笑いを浮かべて『大変申し訳ないんですが、前提のくだりが全く正しくないと感じましたよ』と、むしろ視聴者に対してさえ不親切と思われる返答をしました。その後の石丸氏をめぐる人々の声や意見を聞く限り、自分の公約にツッコミを入れられてカチンと来たんだろうと容易に想像できますが…」
事実、石丸氏は小池氏と共通点があるとする言い方がよほど気に障ったのか、「今回私が掲げた政策、どこに共通点あるというふうに…。全然次元が違うと思うんですけども」と、その後も山崎をしつこく責めまくった。週刊誌記者が続ける。
「全然次元が違うと石丸氏が憤慨しようが、有権者がどう感じるかは自由です。それが納得できないなら、もっとわかりやすく説明すればいいだけのことです。ところが石丸氏は、それをしないで相手をやり込めることに終始しました。若者を見下した気の短い〝嫌なオジサン〟まる出しでしたね」
山崎は同日深夜、自身のXで「先々の糧となる学びの多い時間でした。ある場面、限られた中継尺で意図している疑問を端的に伝える力が足りなかったなと反省」と綴った。その一方で「あ一怖かった」と〝本心〟を吐露している。
石丸氏の今回の躍進は、間違いなく無党派層の若者を取り込んだから。そのドンピシャの世代であるタレントを、徹底的にやり込めることに何の意味があったのか。有権者に寄り添っていないと見られても反論できない対応だった。泉氏が首を傾げたのは、間違いなくその部分だろう。
(石見剣)