東京都知事選に出馬し、3選を果たした小池百合子氏の次点と健闘した前安芸高田市長の石丸伸二氏だが、ここにきて風当たりが強くなっている。
そんな石丸氏が、7月11日に放送された「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)に満を持して出演したわけだが、インタビュー中に発した、ある「言葉」が物議を醸すことに。
石丸氏は選挙特番などで披露した、インタビュアーの言葉尻を捉えて言い返すという攻撃的な面が、視聴者から「高圧的で不愉快」と敬遠されていた。その渦中での番組出演は注目されたが、その理由の1つは、インタビュアーが斎藤ちはるアナだったから。
奇しくも斎藤アナは、石丸氏が選挙特番でコテンパンにやり込めた山崎怜奈と同じ乃木坂46出身だ。
ところが乃木坂イジメは1人で十分とばかりに、石丸氏は7日とは一転、終始和やかな表情で質問に答えていく。番組を見ていた週刊誌記者が苦笑いする。
「山崎と同年齢の斎藤アナが相手で、どこかでキツい言葉でやり込めるのではとヒヤヒヤしていた視聴者は少なくなかったようです。ですが、石丸氏は斉藤アナの言葉尻を捉えることはなく率直に受け答えしていた。ただし、大半の視聴者はやはり素直には見られなかったようです。一部の信者以外は、選挙後の悪評を踏まえて、高圧的に対応するのは選挙に敗れた今は得策ではないと判断したのではないかと推察する人だらけでした」
そんな、妙な安堵感と緊張感と違和感が入り混じるインタビューではあったが、石丸氏が〝本性〟を現したと視聴者がザワつく瞬間がやってくる。
それは、石丸氏の対応が「怖かった」と山崎が漏らしたことをインタビュアーが告げた時だ。石丸氏のその後の発言を羅列すると以下のようになる。
「質問をされて、いつもの調子で返して、それがあまりにも酷かったという評価で、ご本人も『怖かった』みたいな感想を言われてたらしいんですよ。そういう方に対しては、あれはちょっと可哀相だったかな」
「真剣勝負で斬ったら、相手は竹刀も持ってなかった」
「女、子供に容赦をするってのは優しさじゃないと思ってる」
「…もうちょっと優しく言ってあげればよかったのかな」
「(やさしく頭を撫でる)ポンポンってやってあげる感じがよかった? それも失礼ですよね、相手もプロとしてあの場所にいらっしゃるんだったら」
特番でのやり取りを自分なりに弁明する発言の連続だったが、この一連のコメントの中で使われた様々な言葉に、再び「恐怖」と「不快感」を覚える視聴者が続出してしまったのだ。前出の週刊誌記者が分析する。
「本性は相当なサディストかもしれませんね。石丸氏は終始、自分の取った態度を悪いとは思っていない様子でした。そこでブレるのはキャラではないでしょうから、仕方ありません。しかし、選んだ言葉がいちいち視聴者の拒絶反応を招いたのです。『女、子供』『ポンポンってやってあげる感じがよかった?』『優しく言ってあげればよかったのかな…』など。すべての言葉が相手を下に見ている、または自分には取るに足らない相手、本音は優しくする気などサラサラない、そういった印象を与える言葉ばかりだったからです。石丸氏が使った『女、子供』『ポンポン』は、有識者がすぐに批判していましたが、今では普通の感覚では使いません。もし大臣あたりが発しようものなら、国会で糾弾されてしまうワードです。それを一旦は都知事になろうとした、そして今後は国政を視野に入れている人物が笑顔で使うわけですから、聞いた人が不快に感じるのは当然です」
石丸氏の〝本性〟が出たことで、終始和やかだったインタビュー風景が途端に上っ面に見えてしまったとしたら、番組出演は成功とは言えないはず。
そもそも、トリガーとなった山崎とのやり取りは石丸氏がムキになっているだけで「真剣勝負には見えなかった」という視聴者は多い。そして、斎藤アナの前では格差ワードを連発と、ある意味で「乃木坂キラー」ぶりは遺憾なく発揮した。
今後、石丸氏がどういった言葉を使って他のメディアと向き合っていくのか、一層注目していきたい。
(田村元希)