7月7日投開票の東京都知事選で、広島県安芸高田市の前市長である石丸伸二氏が、その存在感を高めている。一部メディアの調査では「蓮舫前参院議員を抜き、小池百合子知事に次いで2位」との報道もあり、
「仮に都知事選に敗れたとしても、石丸氏の名前は都下に十分、浸透した。国政転身の足掛かりは築けたのではないか」(全国紙政治部記者)
SNSでは「都知事選後に『コメンテーター』として起用する意向で、東京キー局が動いている」との憶測が出ており、市長⇒都知事候補者⇒政治コメンテーター⇒国会議員と、マンガ「ドラゴンボール」のような「超サイヤ人計画」が取り沙汰されているのだ。爽やかで舌鋒鋭いものの、
「論理の組み立ては三菱UFJ銀行出身のアナリストらしく、企業受けします。左翼色がなく、年収1000万円以上の層に好まれる人物」
と、前出の政治部記者は分析する。
後援会長はドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏。KDDIの前身である第二電電(DDI)共同創業者の千本倖生氏ら起業家が支援し、
「大物財界人約20人が支援者に名を連ねている」(財界関係者)
この「石丸グループ」には、都知事選後もしっかりとしたプランがあるようだ。
都知事選での落選が前提となるが、石丸氏のニュース番組起用に、有働由美子氏が抜けた日本テレビ、「橋下徹では勝負できない」と考えるフジテレビが関心を持っており、今秋の自民党総裁選では全候補に直撃インタビューさせる企画が浮上しているという。
これを石丸グループが断る理由はもちろんない。永田町に顔が売れるからだ。自民党総裁選直後の10月あるいは11月には衆院解散の可能性が高いが、コメンテーター転身は絶好のPRになる。
国政へは日本維新の会からの出馬が予想されるが、「自民党に代わる保守政党」を掲げ、財界人のバックアップを受けて「新党結成」の可能性もある。石丸氏はパワーアップしていくのだ。
(健田ミナミ)