「水虫」が足の裏のメラノーマ(悪性黒色腫)の発生と相関することが、東京慈恵会医科大学の研究グループによって発表された。
「水虫」は白癬菌というカビの一種による感染症だが、皮膚表面のケラチンというたんぱく質を栄養として繁殖する。
主に4つのタイプがある。
①「趾間型」は、足の指の間に発症して皮がむけてかゆくなったり、時に赤くなったり白くふやけて皮膚がジュクジュクする。
②「小水疱型」は足の裏や側面に小さな水疱ができ、強いかゆみや赤みを伴う。
③「角質増殖型」は、かかとを中心に足の裏の皮膚が厚くなりガサガサになる。
④「爪水虫」とは、爪の間に白癬菌が入り爪が白く厚くなる。
治療は、基本的にクリームや液状、軟膏など抗真菌薬の塗り薬が有効だが、時には飲み薬で対処するケースもある。症状が出ていない部分にも菌が存在していることもあるため、患部より広めに塗ることだ。また、水虫は、皮膚の傷で菌が入りやすくなり、他の菌が入り込んで、股部白癬(インキンタムシ)、体部白癬(ゼニタムシ)、頭部白癬(シラクモ)といった、足以外の感染を招く可能性があるため、かゆいからといってかいてしまうことは厳禁だ。
一番の予防法は清潔さを保つことに尽きる。足の指をよく洗い、しっかり乾燥させ、洗う時には皮膚を傷つけないよう優しく洗うといいだろう。次に蒸らさないこと。白癬菌は高温多湿により活発になる。通気性のよい靴や靴下をこまめに履きかえるといいだろう。さらに、共用部分に気をつけたい。足拭きマットやバススリッパなどの共用で感染するケースも多い。足を乾燥した状態を保ち水虫対策を万全にしたいものだ。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。