8月5日、東京都新宿区歌舞伎町のホストが、店の女性客が違法性サービス店で得た収入の一部を受け取っていたとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)の疑いで逮捕されたことが明らかになった。
他に逮捕されたのは、スカウトマンの34歳の男と性サービス店あっせん業の31歳の男。警視庁保安課によると、3人は昨年3月から5月に共謀して、女性客が大分県別府市の特殊浴場で得た収入のうち、約40万5000円を店から受け取っていた疑いがあり、3人はいずれも容疑を認めている。
ホストが「スカウトバック」と称して性サービス店から手数料を受け取っていた事例を、犯罪収益として摘発するのは初となる。
「今回の逮捕を受けて、ホストとスカウトマンが共謀して女性を性サービス店に紹介する事案は減るでしょうね」
そう語るのは、歌舞伎町のスカウトマン事情に詳しい人物だ。詳しく話を聞くと、
「ホストがスカウトマンに女性客を紹介して性サービス店で働かせてマージンを受け取ると、警察の目にとまりやすくなります。そのため、最近ではホストクラブに通う女性客がスカウトマンに個人的に性サービス店を紹介してもらうケースが増えています。さらに、国内の店では警察の取り締まりが厳しいため、以前から問題視されていた海外での出稼ぎ案件が増加しています。これも性サービスではなく、海外でのパパ活相手を紹介する、いわば『個人仲介』がアツイと言われているんです」
要するに、スカウトマンが海外のエージェントと直接契約し、パパ活の仲介を行うというものだ。社会問題ジャーナリストが言う。
「最近、アメリカでは海外出稼ぎ案件が国際問題視されて入国が厳しくなり、入国拒否される女性が増えています。現在、パパ活エージェントで注目されているのは、中国人のパパが多いマカオ、シンガポール、タイなどです」
個人仲介、しかも海外での案件となると、日本の警察の目を逃れることができる。また、仲介を頼むのはホストではなく、ホストが女性客をそそのかしてスカウトマンと女性客の間で行われるため、目につきにくい。
歌舞伎町のホストクラブでは今年4月から売掛が廃止されているが、悪質ホストはさらに組織化していく可能性があるだろう。