9月の党総裁選まで残すところ1カ月余。今にも「玉座」から転げ落ちる寸前の岸田文雄総理(67)。壊滅的なまでの支持率低迷で万事休すと思われたが、伝家の宝刀「北朝鮮カード」の秘策で、一発大逆転を狙っていた!
自民党派閥の裏金事件に続き、7月に広瀬めぐみ参院議員(58)が公設秘書の給与をだまし取った疑いで、堀井学衆院議員(52)にいたっては公職選挙法違反の疑いで、東京地検特捜部の強制捜査を受けた。両者とも即座に離党届を出したが、後の祭り。自民党議員の新たな「政治とカネ」の問題は政権運営の痛手となり、岸田総理は〝死に体〟どころかもはや瀕死の状態。
それでも当初は、岸田総理は再選に自信を持っていたという。自民党関係者がこう話す。
「低支持率でも鈍感な岸田総理は『ポスト岸田』候補に自分を脅かす存在がいないとタカをくくっていました。が、日本料理店で麻生太郎副総裁(83)と会食した時、党総裁選の情勢が厳しいことを伝えられました。周囲からも、ここまで支持率が低いと何か手を打つ必要があると説得されたんです」
党総裁選まで残された時間は少なく、起死回生の策はもはや自身が「私直轄のハイレベルでの協議を進める」と表明した拉致問題にすがるしかないのだ。
今年1月の能登半島地震では、北朝鮮の金正恩総書記(40)が被災者を見舞う電報を送り、岸田総理のことを「閣下」と敬称で呼び、これまでにない距離感の近さを感じさせた。
そんな中、岸田総理のもとには「拉致被害者の横田めぐみさん(59)に関する極秘情報」が届けられたという。全国紙外報部デスクが耳打ちする。
「北朝鮮の特使は、『めぐみさんは元気でいる』と伝えた上で、『事情次第で母親の早紀江さん(88)に会わせる用意がある。ただし、その場所は日本以外の場所であること』という面会条件が付与されたそうです。現在、めぐみさんは北朝鮮で高官の妻として生活が保障されており、一時帰国の約束を日本側が反故にする可能性があるため、第三国での親子面会を提示してきたものと思われます」
拉致問題は02年9月に小泉純一郎総理(82)が電撃訪朝、金正日総書記(享年70)と日朝首脳会談を行った後、5人の拉致被害者が日本に帰国した。だが、その後、一歩も進展していない。それだけに、めぐみさんと早紀江さんの親子再会が実現すれば、日本中が沸き立つ大きな成果となるだろう。
崖っぷちの岸田総理が最後の頼みとするのが、この「北朝鮮カード」だったのだ。