「2024ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が札幌競馬場で今週の土・日にわたり、4レースが行われる。出場騎手はJRA選抜7人、ワールドオールスター選抜7人(外国騎手6人、地方競馬所属騎手1人)だ。
すでに抽選が行われ、騎乗馬は決まっている。公平を期すために、近走成績から出走馬をABCDの4ランクに分け、全騎手に各ランクの馬が1頭ずつ当たるようにしているが、そのランク通りに決着するわけではない。そこが面白いところだ。
WASJは過去7回行われているが、チーム優勝は全てJRA選抜で、優勝騎手は第1回ジョアン・モレイラ(香港)、第3回ユーリコ・ダシルヴァ(カナダ)以外はJRA騎手だ。昨年は岩田望来が1勝もせずに優勝したが、今年は誰がトップに立つのか。
札幌のメインは日曜に行われるキーンランドC(GⅢ、芝1200メートル)。9月29日に行われるスプリンターズSをニラんで、スプリント自慢の馬が多数出走してくる。
人気になるのは昨年の優勝馬ナムラクレアだろう。スプリンターズS3着、高松宮記念2着の実績は、ここに入ると断然。55キロの斤量も有利だ。気になる点があるとすれば、当レースに2勝した馬が過去に1頭もいないことか。リピーターにとっては厳しいレースになっている。
注目しているのは、3歳牝馬のエトヴプレと、レーン騎乗のサトノレーヴだ。前者は桜花賞5着のスピード馬で、53キロの斤量が魅力大。後者は目下2連勝中で、前走の函館スプリントS(GⅢ)を勝利している。
新潟では新潟2歳S(GⅢ、芝1600メートル)が行われる。昨年の勝ち馬アスコリピチェーノがのちに阪神ジュベナイルフィリーズを勝利したように、出走馬からは何頭ものGⅠ馬が出ている。そうした意味で、見逃せない一戦なのだ。
人気は新馬戦絶好調の森秀厩舎(新潟2歳戦で6戦5勝、2着1回)が送り出す外国産馬シンフォーエバーと、サートゥルナーリア産駒のコートアリシアンの2頭に集まっている。快勝した新馬勝ちからそれも当然だが、個人的にはバゴ産駒のトータルクラリティに注目している。
6月の新馬戦で評判馬ラトラースを差し切ったレースは圧巻だった。終い11秒8-11秒4-10秒8の極端な加速ラップ=決め手比べを制したのだ。ストライドが大きく、追うとグングン伸びるのが特徴で、大物感を抱かせる。
バゴ産駒の重賞制覇は2021年の神戸新聞杯(GⅡ)でのステラヴェローチェが最後となっているが、3年ぶりに勝ってGⅠの舞台でも活躍することを願うばかりだ。
(兜志郎/競馬ライター)