アメリカ・アーカンソー州ミラー郡にある小さな田舎町、フォウク。そんなのどかな場所に突如として出現したのが「巨大で毛むくじゃらな生き物」だった。
目撃者らの証言によれば、それは身長2メートルから2.5メートルほどで、全身を黒っぽい毛に覆われ、長い腕に短い足で跳ねるように歩く…というもの。
住民が騒然となったこの出来事は1970年代後半のことなのだが、実はアーカンソー州から直線距離で700キロほどの、ルイジアナ州東部ジョーンズヴィルやボギー・クリーク周辺でも、1960年代には同様の生物の目撃情報があった。家畜が襲われる被害が続出し、「ジョーンズヴィル・モンスター」と名付けられたのだ。
この生物の捕獲には多額の懸賞金がかけられ、ハンティングのため猟銃を持ち歩く人々を警察が取り締まる騒ぎに発展した、との記録が残されている。
ただ残念ながら、誰ひとりとしてこれを仕留めることはできず。中にはこの生物に発砲して体に傷を負わせたものの、すんでのところで逃げられ、現場には大量の血痕だけが残されていた、という事例もあった。
そんなことから、1972年にはこのモンスターを題材にしたドキュメント・ホラー映画「ボギークリークの伝説」が公開された。しかしその後、目撃談はパッタリと消えてしまう。やがてジョーンズヴィル・モンスターは、人々の記憶から遠のく存在となっていった。
ところが1978年のある日、アーカンソー州ラッセルヴィルで、あの生物が残したと思われる足跡が発見され、フォウク周辺でも連続して謎の獣の目撃情報が続出する。謎の生物への関心が再燃したのだった。
「1980年以降、『フォウク・モンスター』の目撃談や、ペットや家畜が行方不明になったという報告はあとを絶たず、40件もの目撃情報が相次ぎました。いずれも毛むくじゃらで体長は2メートル以上と、共通の特徴がみてとれる。同類のモンスターである可能性が極めて高いとされます」(UMA研究家)
なお、フォウク周辺では2010年代後半になっても同様の目撃談があり、今なおモンスターハンターが存在するという。
(ジョン・ドゥ)