東京・千代田区に鎮座する靖国神社の石柱で相次いだ「落書き事件」。今年5月には石柱に「便所」を意味する中国語の落書きが発見され、犯人とみられる中国人の男1人が器物損壊容疑などで逮捕された。警視庁公安部は犯行に及んだ中国人3人組の男らのうち、中国に逃亡した残る2人についても、逮捕状を取って行方を追っている。
今年8月に起きた事件では、悪質さがさらにエスカレート。あろうことか、石柱には「便所」「糞」「軍国主義」「死ね」などを意味する中国語の落書きが複数発見されている。警視庁公安部は中国に逃亡した10代の中国人の男を犯人とみて捜査を続けているが、5月の事件と同様、犯行時の動画が犯人らによってSNS上にアップされている。
それにしても、このような侮辱的で非礼極まる落書き事件が、なぜ繰り返されるのか。その理由を探るべく、中国政治に詳しい複数の専門家に尋ねると、独裁者・習近平に起因する驚きの内情が浮かび上がってきた。概略は以下の通りである。
●習近平の圧政に対する中国人民の不満は、今や限界点に達しつつある
●また、習近平の失政によって、中国人民は経済的にも追い詰められつつある
●一方、習近平は中国人民の不満が己に向けられ暴発することを、極度に恐れている
●そこで習近平は反日プロパガンダを死に物狂いで展開し、習近平体制に対する人民の不満を反日に向けさせるべく画策してきた
●その結果、習近平体制下の人民の間には今、「反日」「愛国」を名目に掲げさえすれば、逸脱行為といえども処罰されない、という空気が蔓延している
中国専門家のひとりも、次のように指摘する。
「靖国神社の一件も、習近平への不満が反日という形で表現された事件であり、突き詰めれば『独裁者・習近平が煽動した事件』と言うことができる。つまり『便所』『糞』『死ね』などの罵詈雑言は、習近平に向けられたものだったのです」
日本にとっては、まさに「迷惑千万」の極み。これでは習近平はもとより、日本人が中国や中国人を毛嫌いするのも当然である。
(石森巌)