これはなんとも寂しいアレンパになってしまうのか。
巨人と壮絶な首位争いを演じ、球団初の連覇の可能性がある岡田阪神に、思わぬ障害が待ち受けている。
兵庫県の斎藤元彦知事が引き起こしたパワハラ騒動の影響で、優勝しても昨年同様の優勝パレードが実施できない可能性が高いのだ。現状では運営費の確保が難しくなっている、というのがその理由で、在阪スポーツメディア関係者は次のように説明する。
「昨年、大阪と神戸両市で開催された阪神とオリックスの優勝パレード運営費は、5億円といわれています。その大半は個人の寄付ではなく、企業の協賛金。その協賛金に関しては、地元の金融機関が兵庫県からの補助金とバーターで寄付した、との報道があります。真偽のほどは現段階では分かりませんが、金融機関としては、痛くもない腹は探られたくない。二の足を踏むことは間違いありません」
今年はオリックスの自力優勝は消滅しているため、パレードは阪神だけ。運営費は必然的に縮小されるが、それでも主催する兵庫県、経済界などで作る実行委員会は、警備費や選手らが乗る車の手配を行う必要がある。運営費の大半は警備会社への委託費だが、昨今の人件費高騰を考慮すれば、やはり数億円の資金が必要となってくる。
といって不足分を、税金などの公費からまかなうわけにはいかない。前出の在阪スポーツメディア関係者も、
「特定球団の優勝パレードに、公費は支出できません。もし支出が可能だとしても、斎藤知事が辞職あるいは議会を解散して選挙をするには今後、20億円近い経費がかかる。そうした状況では、コンセンサスは得られません」
昨年は個人からの寄付については、インターネットで資金を募るクラウドファンディングを実施したが、5億円の目標額をはるかに下回った。兵庫県政がうまくいっていれば、昨年同様の企業からの寄付が期待できただろうが…。今年は猛虎の優勝パレードは見られないかもしれない。
(阿部勝彦)