昨年とはまるで別のチームだ…。
9月17日に先行開催となったラ・リーガ(スペイン)の第7節で、久保建英が所属するレアル・ソシエダと、今季から浅野拓磨が加入したマジョルカとの日本代表アタッカー対決が実現した。
両者ともにベンチスタートになった一戦は、前半36分にマジョルカが相手のハンドで獲得したPKをFWアブドンが決めて先制。久保と浅野は後半に出場したが、特にインパクトを残すことはなく、そのままマジョルカが1-0で逃げ切った。
これでソシエダは開幕6試合で泥沼の4敗目。チャンピオンズリーグ出場権を目指すどころか降格争いが心配される現状に、イマノル・アルグアシル監督の解任か久保の移籍が先なのかと、早くも「場外戦」がメディアの間で繰り広げられている。
絶不調のソシエダの状況について、サッカーライターが解説する。
「主力のマリ代表のDFアマリ・トラオレやMFブライス・メンデスがケガで戦列を離れ、苦しい台所事情ではありますが、4敗のうちレアル・マドリード以外は格下の相手だったので、勝ち点3を取らなければならなかった。特に3試合で無得点と攻撃陣は絶不調です。久保のドリブル突破とスルーパスしか点を取れるチャンスがほとんどないのに、なぜか6試合で久保がフル出場したのは2試合のみ。アルグアシル監督との信頼関係は崩壊寸前と言われています」
久保は2月にソシエダとの契約を2029年夏まで延長した際、「一緒に僕も成長していきたい」と語っていたが、わずか7カ月で状況は一変している。指揮官との不仲説が浮上したことで、今冬の移籍話まで出たわけだが、ここに来てその話題が一気に関心を集めているという。
「リヴァプール(イングランド)は夏に獲得したイタリア代表のFWフェデリコ・キエーザがフィットしておらず、リーグ戦に出場していません。そのため、久保を獲得リストからは外していないようです。そればかりか、ソシエダ側が放出に前のめりになっているようで、スペインメディアはアルグアシル監督が久保の退団を了承し、ソシエダが売却を模索していると報じました。これによって電撃退団の可能性が急速に高まっています」(前出・スポーツライター)
負のスパイラルに突入したソシエダ。このまま黒星を重ねれば、アルグアシル監督の解任は待ったなしで、スター選手の久保は残留するという流れだ。一方で、指揮官に再建を託すのであれば、久保が移籍を決断する線が濃厚だ。
監督が先か久保が先か、果たして場外戦バトルの行方はどんな決着を迎えるのか――。
(風吹啓太)