社会

「世界のアイドル」に躍り出たもちもちぷるぷるな「豚肉団子」の「たまらない姿」

 世界中が「豚肉団子」のトリコになっている。…といって、いったい何のことかと思う向きもあるだろう。タイにあるカオキアオ動物園で大人気の赤ちゃんコビトカバ「ムーデン」のことだ。

「ムーデン」という名前は「豚肉団子」という意味であり、水を浴びる様子や飼育員と遊んでいる姿が「もちもちぷるぷる」と形容されて、多くの人々の心をワシづかみに。その愛らしい姿やユニークな表情がSNSで拡散されて一躍、世界のアイドルになったのである。

 現在、生後2カ月を過ぎたムーデンは触ると牙を向けるなど、気性が荒いようにも見えるが、飼育員に優しく撫でられると、幸せそうな顔を見せる。今後、数カ月はこの人気が続くと見込まれ、動物園では次にプロモートする動物の赤ちゃんを準備するのだとか。

実はカオキアオ動物園では2019年にも同じコビトカバの赤ちゃんが誕生しており、その「ムチムチぷるぷる」なビジュアルが大いに話題となった。その際、動物園の公式アカウントで、名前を「ムートン(煮豚)」か「カキ(豚足)」のどちらにするかを投票によって決めている。

 結果的に「ムートン(煮豚)」に決まったものの、ブームはすぐにしぼんでしまった。ペット誌を手がけるライターが言う。

「悪霊を信じるタイでは、風変わりな名前を付けることで魔除けにする習慣があると言われています。なので肉団子や煮豚など、食べることを連想するネーミングにも驚きません。日本でも同じような名前の付け方をしているアニマルパークがあります。千葉県にあるアミューズメント牧場なのですが、子豚のレースを開催しており、出場する豚に『トンコツ』『トンソク』などと名付けている。聞いたところ、深い意味はなく、盛り上がるからだとか。エンターテインメントとして、流行っているのかもしれません」

 次に生まれるコビトカバの赤ちゃんには、どんな名前が付けられるのか。

(小津うゆ)

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