まさに〝大谷無双〟だった。
MLB史上初の「50-50」を狙うドジャースの大谷翔平が、現地時間9月19日にWBC決勝戦の舞台でおなじみ、敵地・ローンデポ・パークで行われたマイアミ・マーリンズ戦に1番DHで先発出場すると、なんと6打数6安打3本塁打10打点という〝意味のわからない〟数字で「50-50」どころか、それを超える「51-51」を達成してしまった。
しかも、先に盗塁を2つ加え「51」を達成したあと、それを追うように3打席連続本塁打で51合わせをしてしまう荒業に、敵地の観客は騒然となった。
MLBに詳しい野球ライターが話す。
「相手がナ・リーグ東地区で借金40を抱えるマーリンズ戦ということで期待はありました。それでも予想の斜め上をいく数字です。この日のドジャースは20得点でしたが、本塁打が出たのは大谷だけ。9回のマーリンズは普段は野手で今シーズン2試合目の登板となるブルーハンをマウンドに上げていましたから、大谷の第6打席目となった51号はまるでオールスターのホームランダービーのように軽々とスタンドへ飛んでいきましたね。まるでテレビゲームの『パワプロ』のような無双ぶりで人間離れしていると、偉業の〝達成の仕方〟に度肝を抜かれる人が多数いましたね」
しかし、この試合でもう1つの話題となったのは、大谷の打席で決して「逃げなかった」マーリンズのスキップ・シューメーカー監督の采配だ。試合後にシューメーカー監督はこう語っている。
「野球的にも私のカルマ的にも、そして野球の神様的にも悪い行動だと思った」
「我々は野球をリスペクトしている。だから彼からアウトを取るように抑え込めるかどうか試してみるべきだったんだ」
そして「恐れずに立ち向かったチームを誇りに思うし、野球はそうあるべきなんだ。マーリンズにとってはよくない日だったけど、野球にとってはよい日だった」と締めくくった。
「シューメーカー監督の姿勢を称賛する声が出るのは当然で、確かに素晴らしいと思います。でも、正直いって褒めすぎだと思います。順位が1つ上の東地区4位と12ゲームも離れているマーリンズの成績では、スタジアムをしらけさせる申告敬遠をする意味がないというのが実情。むしろ華々しく打たれた方が注目を浴びるという側面が見られましたね」(前出・野球ライター)
ある意味、大谷のスター性がマーリンズ投手陣に「勝負せざるを得なかった」状況を作ったといえる。
記録達成後にはNBAのレジェンドプレイヤー、レブロン・ジェームズが自身のXに「こいつは非現実的だぜ!すげえ」と投稿しているが、もはや全米で競技の枠さえ超えてしまった大谷の「非現実的」な数字はいったい、どこまで伸びるのだろうか。
(カタタキケン)