「今日、決められてよかった。一生忘れられない日になると思う」
9月19日のマーリンズ戦で、前人未到の「50-50」を達成したドジャース・大谷翔平。この日は3打席連続ホームランを含む6打数6安打で、記録は51-51まで伸ばし、プレーオフ出場決定に花を添えた。
まずは初回にセンターオーバーの2塁打を放つと、すぐさま三盗で50盗塁をなんなく達成。次打席でもライトへの適時打の後に二盗を決めて51盗塁とした。これで27回連続での盗塁成功で、成功率は脅威の9割超え。昨年から導入された「ピッチクロック」、牽制球が1打席2回までというルール改正が、走者・大谷に俄然、有利に働いている。今や1塁に出塁すれば実質2塁打、おまけに三盗までついて来るほど、軽く稼げる状態だ。
50盗塁を決めた三塁ベースは記念として試合中に引き抜かれたが、またまだ新たな記念碑は増えそうだ。
続いてホームラン。第3打席で133メートルの2ランを右翼に叩き込むと、続く第4打席で左翼に50号2ラン。トドメは第5打席の51号3ランを三階席まで放り込む固め打ち。実にこの日、10打点の怪物ぶりだった。
「これだけ打てたことは人生でもない。自分でもビックリしている」
さしもの大谷自身も試合後のインタビューでは驚きを隠さなかったが、はたしてどこまで記録を更新するのか。
「9月に入ってからの本塁打数はこの試合前まで5本と、やや足踏み状態でした。『ミスタージューン』と呼ばれ12本を量産した6月の勢いはありませんが、ここにきての固め打ちは驚異的です。大台を突破したしたことで、プレッシャーから解放される。開幕当初の40打席連続無本塁打のようなこともないでしょう。残り9試合でどこまで数字が伸びるか、楽しみしかありません」(スポーツライター)
しかし、この大記録も今年で見納めだという。
「すでに大谷はブルペン入りするなど、来季は二刀流の復活が大前提です。となると出場試合数が減り、盗塁は今年ほど稼げなくなる。さすがの大谷も3刀流は厳しいでしょう。加えて年齢的な問題もある。かつて大谷はインタビューで『肉体的ピークは26歳から27歳、技術が噛み合うのは27歳から30歳』と予見していました」(前出・スポーツライター)
来年は二刀流での新たなショータイムを見せてくれることだろう。