馬柱と呼ばれる競馬の成績欄の表記は日本独自のもの。長方形のコマ1つの中に、レース名、着順、斤量、騎手、馬体重、上がりタイム、通過順などを集約している。外国へ行くとこれがないので戸惑うが、逆に外国人はこの馬柱がなんなのか、理解に苦しむらしい。日本歴が長いルメールやデムーロは理解しているようだが、まずはカタカナを理解して馬名を見分けることが大事なのだと、ご本人たちから聞いたことがある。
サトノグランツの馬柱を見て、前々走の競馬場名「華太」に軽く固まってしまった。「樺太」に見えてしまったからだ。カラフトに競馬場があるとは知らないし、この時代にロシア遠征などするはずがない。冷静に考えれば「華太」は「華太瑠」の短縮形で、カタールを漢字表記したものとわかる。馬柱は、よく見ると意外に勉強になったりもするのだ。
カタールの馬場は、日本や米国のようによく整備されたトラックタイプ。日本馬が中東でいい成績を上げられるのはそのせいで、欧州にありがちな草ボウボウの野生的な馬場には戸惑いがちだ。
サトノグランツは、カタールでも日本と同じような善戦マンぶり。一瞬速い脚を使ったあと、少し甘くなってしまうのがこの馬の個性のようだ。
対照的に、ブローザホーンはいい脚を長く使える馬だ。オーナーサイドから「目標は有馬記念!」という声が聞こえてきているが、現実的にはこの京都大賞典がすぐ目の前にある大目標。まずは手堅く1勝を上積みしておきたい。中心はこの馬。
相手にはジューンアヲニヨシを抜擢したい。ここ2戦の凡走で人気は急落だろうが、そもそもが京都が大得意。4年ぶりの短期免許取得で張り切る、ドイツのシュタルケ騎手のモチベーションも高い。
プラダリアも、京都記念でベラジオオペラを破っているように、この条件はピッタリ。シュヴァリエローズの充実ぶりが次に続き、サトノグランツはその次ぐらいか。
ディープボンドは、7歳の秋になっても闘志は衰えていない。スタミナ比べの流れになった時は、まだまだ怖い。スマートファントムも、押さえに必要。