スポーツ

ダンプ松本「中村雅俊とのラブシーンならOK」27歳の芸能界転身/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 1980年代に一世を風靡した全日本女子プロレスのヒールレスラー、ダンプ松本の半生を描いたNetflixのドラマ「極悪女王」が大好評だ。ダンプは1980年8月、田園コロシアムでレスラーとしてデビュー。1984年にヒール軍団「極悪同盟」を結成し、リングネームをダンプ松本に改名した。当時、大人気だった長与千種とライオネス飛鳥のクラッシュギャルズと死闘を繰り広げ、全国に女子プロレスの大ブームを巻き起こした。

 埼玉県熊谷市で生まれ育ったダンプは定職につかず、ほどんど家にも帰ってこなかった父に代わり、内職で細々と家計を支える母と妹の3人で、四畳半一間のアパートで少女時代を過ごした。時々、帰ってくる父は、母に暴力をふるった。大好きな母を苦しめるこの男をどうにかしてやりたい。そのためには強くなるしかない。それが、ダンプがプロレスラーを志す原点だったという。

 だが新人時代には先輩や同期、フロントなどから理不尽なイジメやしごきを受けた。だからこそ、ダンプ自身は後輩に対して、自分が受けた理不尽なイジメやしごきなどを絶対に行わず、極悪同盟の結成時も悪口や陰口、告げ口などを禁止したとされる。

 温厚で涙もろく、後輩から慕われる素顔は、リングの上では完全封印。凶器を多用した試合では毎度の流血がお約束で、ヒールとして極悪非道の限りを尽くす。1985年の髪切りデスマッチでは、長与を相手に凶器攻撃で両者血みどろになりながらも勝利。長与を丸刈りにして、ファンの罵声を一身に浴びることになる。

 そんなダンプが待遇改善問題などで全女に嫌気が差し、電撃引退を発表したのは1988年1月17日だった。会場に詰めかけた報道陣は80人以上、テレビカメラ11台がズラリと並ぶ中、ダンプは切り出した。

「リングではもう暴れ尽くした。もう思い残すことはない。これからは四角いマットを飛び出して暴れてみたい」

 今後は芸能活動を中心に仕事をしていく、と宣言したのである。その上で、

「もう三禁(酒・タバコ・男)もなくなるし、エッチなシーンは絶対に嫌だけど、大ファンの中村雅俊さんとならラブシーンをしてみたい」

 そう言って、27歳の乙女心を覗かせたのである。

 そして2月22日、大田区体育館で大森ゆかりとともに「引退特別試合」に臨んだダンプは、クラッシュギャルズを相手に4人全員が場外で流血後、ダンプのマイクアピールでパートナーを交換。なんとダンプ&長与組VS大森&飛鳥組という、最初で最後となる5分間のエキシビションマッチを行ったのである。そして最後は、

「クラッシュギャルズのファンの皆さん、今までチーちゃん(長与)やトンちゃん(飛鳥)のことをいじめてすいませんでした」

 号泣し謝罪するダンプには、温かい拍手が送られた。2月28日の地元・熊谷市体育館での試合を最後に、両親と妹に見守られながらリングを下りたダンプ。こうして8年間にわたる壮絶極まるプロレス人生に、ピリオドが打たれたのだった。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
エスコンフィールドに「駐車場確保が無理すぎる」新たな問題発覚!試合以外のイベントでも恨み節
2
これも「ラヴィット!」効果…TBS田村真子アナ「中日×巨人で始球式」に続く「次に登板するアナウンサー」
3
日本人に大打撃!タイ政府「外国人締め出し」で長期滞在とビザ取得が困難に…そして口座凍結まで
4
ヤクルト・村上宗隆「上半身のコンディション不良」って何?「ポスティング移籍金」に影響するからと…
5
【NHK朝ドラ】今田美桜と河合優実の「見事なあんぱん」が弾む出色CMがコレだ!