阪神の藤川球児新監督が10月15日、大阪市内で就任会見を行った。来年は球団創設90周年となる節目の年。新指揮官は現役時代と同じ背番号「22」を背負い、2023年以来のV奪還を目指す。
就任会見後の囲み取材では、厳しい言葉が飛び出した。
「前年度の日本一、今年は2位。現状維持でいいと周囲から見えるような選手は、危機感を持って臨んでもらいたい。力のないベテランは、僕は必要ないです」
現役時代を彷彿させる火の玉ストレート発言だが、では「必要ないベテラン」とは誰を指すのか。プロ野球ファンによる「名指し合戦」がSNS上に展開されることになったのである。
まず挙がったのは、33歳の梅野隆太郎。2023年は正捕手として開幕を迎えたが、死球による骨折で8月に戦線を離脱。今季は95試合に出場し、打率2割9厘、15打点という数字に終わり、改めて打撃力不足を露呈した。坂本誠志郎との捕手2人体制の先行きを不安視して「若手にチャンスを与えてほしい」との声も上がっている。
一方、投手で危ないとされたのは、チーム最年長34歳の右腕・西勇輝だった。今季はオリックス時代を含めて14年連続となる、100投球回をクリア。年間を通してローテーションを守ったものの、終盤はスタミナ切れで負けが込み、終わってみれば6勝7敗と負け越してしまった。ファンとしては同じ「西」でも、若手の西純矢を育ててほしいと考えているようだ。
他にもわずか2登板で防御率5.40に終わった33歳の岩貞祐太も、首筋が寒くなりつつある。
岡田彰布前監督は、明らかに力不足や調子の悪い選手であっても固定起用し、チーム内でのポジション争いが活発でなかったことが、今季の敗因のひとつと言われる。日々、生き残りを懸けて戦うプロの世界で、使えないベテランが必要とされないのは当たり前のこと。記者会見で語った意気込みで、チームに新風を吹き込むことができるか、藤川監督の手腕や、いかに。
(ケン高田)