大阪市西区の松島新地にある料亭で売春を斡旋したとして、大阪市西区新町の風俗店経営者ら5人が、売春防止法違反の疑いで10月15日に逮捕された。
大阪府警によると、容疑者らは大阪市中央区のホストクラブの経営にも関わっており、売掛金の支払いが困難になった女性客に対し、売春を強要していた疑いが持たれている。
大阪メトロ中央線・九条駅の北側に位置する松島新地は、昭和33年以降に現在の場所で復活し、飛田新地ほどの規模ではないものの、徐々に人気を高めてきた。今回、なぜこのような逮捕劇が起こったのか。関西の夜事情に詳しい人物に話を聞いた。
「昔から大阪ではホストにハマり、売掛金を払えなくなった女性は飛田新地で働くのが一般的でした。しかし最近では飛田新地の知名度が上がり、観光客が増加しています。国内外から多くの観光客が訪れるようになり、稼げるようになってからは、進んで働きたいという女性が増加しているんです。これまではホストにハマッた女性が中心でしたが、最近では東京からの出稼ぎや、副収入を求める地元ホステスなんかも増えてきています」
飛田新地では、料亭の玄関につき座れる女性は1人までと決まっており、働ける人数に制限がある。必然的に、競争率は高くなる。
一方の松島新地は1店舗につき複数名の女性が出勤可能で、料金も飛田新地に比べて割安である。そのため若くて可愛い子が多く、穴場的な存在として男性客に重宝されていた。地元飲食店関係者はこう語る。
「飛田新地では在籍している女性が多いため、メイクや衣装、座り方など細かい点まで気を配らないと指名をもらえないことがあります。ところが松島新地は、少し手を抜いても稼ぎやすい環境なんです」
今回の逮捕劇の背景には、飛田新地の変化があるとされる。松島新地が隠れた稼ぎ場所としての認知が広がる中、ホストクラブの売掛金を、理由に女性が売春に追い込まれる現実が浮き彫りになっている。
これまで遊郭は自由恋愛の場として、ある程度は見過ごされてきたが、今後は同様の逮捕が増えるかもしれない。
(カワノアユミ)