京成電鉄は11月23日のダイヤ改正と同時に、モーニングライナーとイブニングライナーの特急料金を改定した。モーニングライナーとイブニングライナーは、スカイライナーの車両「2代目京成AE形電車」を使った通勤ライナー。全車座席指定で、必ず座れるのが魅力だ。これまでは普通運賃に特急料金450円をプラスするだけで乗ることができた。
ところが料金改定によって、均一料金から距離に応じた料金へと変わる。20キロまでは250円。21キロから40キロが450円。41キロから48キロが500円だ。さらに49キロから65キロが600円で、66キロから70キロは950円となっている。
具体的にみると、京成上野駅から京成佐倉駅まで乗ると600円で、終着駅の成田空港まで行けば950円。長い距離を乗れば、これまでよりも値上げということになる。
この料金体系が発表されると、鉄道ファンの間では早くも「100円安く乗れる裏技」があるとの指摘が浮上した。京成上野駅から成田空港駅まで通しで乗ると特急料金は950円だが、京成上野駅と青砥駅(250円)、青砥駅と成田空港(600円)と分けて特急料金を支払うことで、合わせて850円になり、通しで乗るよりも100円安くなるのだ。
これを裏技を利用するケースが多発するのではないかと余計な心配をしたくなるが、鉄道ライターは、それは杞憂に終わると説明する。
「イブニングライナーは1日7本ありますが、成田空港駅まで行くのは3本だけで、残りの4本は京成成田駅止まり。モーニングライナーは1日4本のうち3本が、京成成田駅が始発なんです。だからこの裏技を使う機会はあまりないんですよ。そもそも空港第2ビル駅と成田空港駅が自宅の最寄り駅という人はほぼいないので、裏技を使う人もいないことになる。成田空港を利用する海外からの旅行者が使うことも考えられますが、彼らが停車駅が多く時間のかかるイブニングライナーに乗るとは考えにくいですね。京成電鉄もそれをわかった上で、この裏技を見逃しているのではないでしょうか」
さて、実際にどうなるのか、大いに気になるところである。
(海野久泰)