今シーズン限りで退団したコーチを、即座に再就任させる――。そんな「荒業」が展開されたのは、中日ドラゴンズの組閣だった。落合英二前投手兼育成コーチを、2軍監督として呼び戻したのだ。球団関係者が言う。
「落合氏は育成指導が素晴らしく、井上一樹新監督たっての希望でした。落合さんが戻って来なかったら来年のドラゴンズはボロボロになる、と言われていたほどで、2人の意思疎通はしっかりできる」
また、松中信彦、飯山裕志、小山伸一郎、平田良介、小林正人、田島慎二の各氏が来シーズンのコーチに就任することを、球団が発表。10月30日に名古屋市内でそれぞれ会見を開くというが、いい人材が集まったとは言えない。
「松中氏は平成の三冠王として、打撃理論は素晴らしい。問題は残り5人で、本当は他の指導者を引っ張ってくる予定だったのが、ことごとく断られました。育成コーチ就任の小林氏は現役引退後、ずっと球団広報として働いており、指導経験はゼロ。田島氏は今年まで現役で、来シーズンは1軍ブルペンを任される予定です。大野雄大、祖父江大輔など仲のいい現役先輩選手もいる中でちゃんと指導できるのか、大いに疑問符がつきます」(名古屋メディア関係者)
選手はおろか、指導者も満足に揃えることができなかった中日。来年も低迷から抜け出すのは厳しい。