阪神の青柳晃洋が今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦する。蔦村聡球団本部長が「数年前からの話があって今、ここで決断したということ。背中を押す」と明かしたように、青柳はかねてからメジャー挑戦を訴えていた。当初は「容認は簡単にはいかない」とはねつけていたが、方針が変わったことには、近年の成績が影響しているのではないかと…。
青柳は帝京大学から2016年にドラフト5位で阪神入りしたが、2018年までは4勝、4勝、1勝と伸び悩んだ。
開幕ローテ入りした2019年に初めて規定投球回に達し、9勝を挙げる。2020年はコロナ禍のため試合数が120試合となり、7勝に終わったが、21先発はセ最多だった。
そんな青柳が本来のポテンシャルを発揮したのは2021年だ。13勝6敗、勝率6割8分4厘で投手2冠に輝くと、2022年も13勝4敗、勝率7割6分5厘、防御率2.05で投手三冠に。ここに阪神のエースとして君臨することになったのである。
「阪神先発陣の柱として活躍していたので、この時期にポスティングでのメジャー挑戦が認められなくても仕方ありません。しかし2023年は8勝6敗で防御率4.57と調子を落とすと、今季はわずかに2勝。投球61回と、規定の半分にも満たなかった。阪神はこの2年で村上頌樹、大竹耕太郎、才木浩人ら先発陣の新たな柱が育ち、今年終盤には高橋遥人も復活した。青柳は来季の先発ローテが微妙な立場で、今ならアメリカに渡ってもそれほどの戦力落ちにはならない、と判断したのでは」(在阪スポーツ紙デスク)
この12月には31歳になる青柳だが、
「とはいえ、あんな変則投手はメジャーには少ない。ハマれば通用する可能性はあるでしょう。しかし過去を振り返ると、阪神からポスティングでメジャーに挑戦した2人、井川慶と藤浪晋太郎の成績はというともう…」(前出・在阪スポーツ紙デスク)
マイナー契約も辞さない覚悟の青柳が、メジャーのマウンドで快投を繰り広げる姿を見せられるのか。あるいは2人の「前例」を踏襲することになってしまうのか。
(石見剣)