「アメリカで頑張ってきます」と高らかに決意表明し、ファンが「頑張ってこい!」とエールを送る。
これは11月17日のファン感謝デー(ZOZOマリンスタジアム)での、ロッテ・佐々木朗希の姿だった。
25歳を待たずにロッテを去り、ポスティングシステムでのメジャーリーグ挑戦を勝ち取った令和の怪物には「ゴネ得」との批判がくすぶるが、もはや関心を向けるべきは「移籍先球団」だろう。
すでに複数の米スポーツメディアが、本命に大谷翔平と山本由伸がいるドジャースを挙げ、対抗に佐々木が憧れるダルビッシュ有のパドレスと予想している。ルール上は30球団どのチームにも可能性はあるが、わざわざ弱小チームを選択する意味はなく、この2チームが有力候補の一角にあることは間違いなかろう。
今季のドジャースは、先発陣が野戦病院化したが、来季は投手復帰する大谷を筆頭に、山本、ボビー・ミラー、タイラー・グラスノー、トニー・ゴンソリン、エメット・シーハンなど先発陣には余裕があり、体力面が心配されている佐々木にとってはむしろ好都合、との見立てがある。
一方で、佐々木は25歳未満ゆえ、契約金はインターナショナル・ボーナス・プールの範囲内となり、ドジャースの場合は30球団中最低の約514万ドル(7億9000万円)しかないことがネックとなる。
こうした予測に対し、「出来レースだ」と揶揄する向きはあるが、無理を通してメジャー移籍する以上、ファンとしてはメッツ・千賀滉大やタイガース・前田健太のように、日本人プレイヤーとして孤軍奮闘しながらもワールドシリーズ優勝を目指す…そんな佐々木の姿を見たいようである。
(ケン高田)