ロッテ・佐々木朗希のメジャーリーグ移籍が、いよいよ現実のものとなる。ロッテは佐々木の希望を受け入れ、ポスティングシステムによる移籍を目指して申請する方針を固めた。
佐々木は25歳未満の海外選手獲得時に契約金や年俸総額が制限される「25歳ルール」の対象者。そのためマイナー契約しか結べず、米スポーツ専門チャンネルESPNは、契約金を500万ドル(約7億6500万円)と予想している。
佐々木のメジャー移籍をめぐっては、ファンの間で賛否が分かれている。佐々木のインスタグラムのコメント欄には、海外ファンの「ウェルカム」の声に混ざって「タイトルをとらず優勝にも貢献せず、自分の思いばかり」「NPBファン、ロッテ球団、誰も得しない。ポスティングを強行したことに強く抗議する」などと、厳しい声が散見される。
そんな中でにわかにクローズアップされているのが、今シーズン前に西武の160キロ右腕・平良海馬がメディアに語った、メジャー挑戦への「青写真」だ。
平良は先発に転向した2023年に11勝7敗、防御率2.40をマーク。今季は開幕から先発ローテを守っていたが、右前腕部の張りのため、3カ月間の調整を余儀なくされ、復帰後は中継ぎとして3勝2敗9ホールドの成績だった。
平良はかねてからメジャー指向を口にしており、移籍方法についてはこう話している。
「25歳にならないと譲渡金が少ない。自分の契約も小さくまとまってしまう。球団にも譲渡金が入るようにして、自分も球団にも利益があるような形がいい」
そしてマイナー契約での移籍についてはキッパリと、
「絶対に行かないです。行く意味がない」
この平良の「男気」に、多くの西武ファンが頷いたのである。
最終的にロッテは佐々木のポスティングを容認する結果となったが、ソフトバンクのように「世界一の球団になる」ことを目標とし、絶対にポスティングを認めない球団もある。そのため、千賀滉大はポスティング移籍を断念し、2022年オフに海外FA権を行使して、メッツと契約した。選手にとっても、球団による不公平感はハンパないだろう。
「日本プロ野球はメジャーの2軍じゃない」と反発する声もある。平良のような「男気」の欠片もない佐々木に、ロッテファンは複雑な思いを抱いているのではなかろうか。
(ケン高田)