巨人のお家芸「欲しい欲しい病」が、またしても発病している。プロ野球FA戦線で、巨人は国内FA権を行使したソフトバンク・甲斐拓也と阪神・大山悠輔の獲得レース参戦を決定。球界を代表する主砲と捕手の「ダブル獲り」のために、5年以上の大型契約を用意するとみられている。
これに追加して、鋭く曲がるパワーカーブで今季7勝したソフトバンク・石川柊太の調査を開始した。FA権を行使した選手との契約は2人までだが、石川は補償不要のCランクであり、これなら3人目の契約が可能。場合によっては狙いを定めた選手の「全獲り」となる。
ソフトバンクは甲斐に4年最大12億円の契約を提示。阪神は大山に今季年俸2億8000万円からの大幅増と4年契約を提示している。だが双方の「他球団の評価を聞きたい」というコメントを見る限り、流出は確実視される。巨人ならこれらの条件を上回る契約内容を準備することは可能だろう。いや、むしろ巨人くらいしかできないのではないか。
なにしろ巨人は菅野智之のメジャー移籍に加え、岡本和真のメジャー挑戦説がつきまとっており、来季に向けての戦力補強を急ぎたい。今季はリーグ優勝こそしたものの、クライマックスシリーズでDeNAに下剋上を許しており、どんなにファンの反感を買おうとも、なりふり構わず金にモノを言わせて補強に走るしかない。
巨人は2016年の高橋由伸監督時代、FA権を行使したDeNA・山口俊、ソフトバンク・森福允彦、日本ハム・陽岱鋼の3人を一挙取りしている。この年は他に西武・岸孝之、オリックス・糸井嘉男がFA移籍しているが、5人中3人を強奪したことが、プロ野球ファンの間で問題視された。
それでも今年の「欲しい欲しい病」は今後、どんどん症状が悪化していく気配である。
(ケン高田)