野球の国際大会「第3回プレミア12」で、日本は決勝で台湾に0-4で完封負けし、大会2連覇を逃した。
「過酷なスケジュールで、選手はよくやってくれた。責任は全て私にある」
井端弘和監督はそう釈明して頭を下げたが、決勝戦で先発登板した戸郷翔征は明らかにシーズン中からの疲れが残っており、本調子ではなかった。ストレートを軽々と打たれていたにもかかわらず交代が遅れ、5回に致命的な3ランを打たれた。
「指揮官としての経験の浅さ、勝負勘のなさが出てしまいましたね」(スポーツライター)
だが、いつまでも下を向いてはいられない。侍ジャパンは来年3月5日と6日には、大阪で強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025 日本VSオランダ」が行われることが決まったからだ。
侍ジャパンをめぐっては、昨年春に「WBC」で世界一になったが、その年の秋には「アジアチャンピオンシップ」が開催され、今年は「プレミア12」が行われた。国際大会が乱立し、強化試合が春と秋にハイペースで執り行われる異常事態となっている。前出のスポーツライターは浮かない表情だ。
「スポンサーに報いるため、定期的に侍ジャパンを招集していますが、選手の間では『大リーガーが出場するWBC以外は意味のない試合』だという認識が広がっています。今回の『プレミア12』では、水面下で日本代表入りを断った一流選手が数人いたといいます。このまま意味のない試合ばかりやっていると、侍ジャパン招集を拒否する選手が続出するでしょうね」
大会の意義ははたして、どこにあったのだろうか。やはり「カネ」なのか…。
(渡辺優)