歌舞伎町のホストクラブをめぐる問題がいまだ、相次いで起きている。11月25日、売掛金を回収する目的で、女性客から強引に金を取り立てた行為が東京都ぼったくり防止条例に違反するとして、歌舞伎町のホストクラブに対し、80日間の営業停止命令が下された。
これに加え、11月中旬には、女性客に客待ち行為、いわゆる「立ちんぼ」をさせようとしたとして、別の歌舞伎町ホストクラブに勤務する24歳の男が逮捕される事件も発生している。
今年4月に売掛制度が廃止されたにもかかわらず、ホストが客の売り上げを立て替える行為が蔓延しており、実質的な制度廃止とはなっていないのが現状だ。ホスト業界に詳しい飲食店関係者は次のように指摘する。
「年末に向けて、こういった売掛絡みの事件はさらに増加するでしょう。特に忘年会シーズンは性サービス店の需要が高まり、それに伴い女性客が短期間で稼ぎやすい時期になる。ホストにとっても稼ぎ時であるため、無理な売掛金やトラブルが増えるのは避けられません」
こうした年末特有の事情に加え、円安も問題の一因となっているという。ホスト業界関係者が言う。
「円安の影響で、年末年始に海外旅行へ行く日本人が減少しています。その分、国内での娯楽や性サービスにお金を使うケースが増えている。円安の恩恵で外国人観光客が増え、国内の性サービス店やホストクラブに訪れる客は増加傾向にありますね。今年は特に性サービス業が活況を呈する年末になりそうです」
歌舞伎町のホストクラブにまつわるトラブルは、制度改正でもあとを絶たない。それどころか、年末特需や円安の影響も相まって、問題がより深刻化することが予測されるのだ。違法行為の取り締まりとともに、業界全体の健全化が急がれる。
(カワノアユミ)