サッカー元日本代表で、スペインのバリャドリードでもプレーした城彰二氏が、スペイン時代の悲惨な実情を明らかにした。
城氏が自身のYouTubeチャンネルで明かしたところによれば、移籍に備えて英語を勉強したが、バリャドリードには英語をしゃべれない選手が多く、会話はほとんどがスペイン語によるもの。そのため「スペイン語を使え」とイジめられたことがあったという。
そうはいっても言葉がわからないため、苦痛だったのが食事だ。
「スペインは食事が長い。しゃべりながらゆっくり食べて、短くて3時間。言葉がわからないのはキツイ。みんなが笑ったら笑う、みたいな」
座っているだけで何もやることがなかったため、
「みんな笑っている。でも意味がわからない。キャベツの端を触ってみたりしてさ。ボッチの感じがあった」
かなり悲惨な状況だったことが窺える。
ただ相づちを打つだけの食事は苦痛でしかなかったが、チームに溶け込もうと参加し続けると、キャプテンが英語で話しかけきて、コミュニケーションを取ってくれた。そうして受け入れられてもらったのだという。
それでも少しずつスペイン語がわかるようになり、ある時、こんな嬉しいことがあったという。
「街を歩いていると、地元の人が声をかけてくれる。小学生ぐらいの女の子たち、5人くらいかな、『ハーイ、ショウジ』って言ってくれて、通り過ぎた後、『見て。あのお尻。すっごいキュートなお尻してる』と言うわけよ。小学校ぐらいの子だよ」
城氏は興奮気味に当時を振り返ったのだった。今では欧州移籍は当たり前になったが、やはり言葉をしっかり身につけないと、苦労するということだ。
(鈴木誠)