昨年4月に新装した京都芝1600メートルで、若駒限定のマイル重賞は今年の12月までにデイリー杯2歳S(23年、24年)とシンザン記念(24年)の3レース施行されましたが、米国色の強い血統とスプリント色の強い血統馬、大系統ミスタープロスペクター系が特に高いパフォーマンスを発揮しています。
勝ち馬3頭のうち2頭がパレスマリス産駒のノーブルロジャーとジャンタルマンタル。父も母もアメリカの生産馬です。そしてもう1頭の勝ち馬は、ロードカナロア産駒のランフォーヴァウ。ロードカナロアはパレスマリスと同じ大系統ミスプロ系で、スプリントGⅠを5勝した名馬であり、名種牡馬です。
また、シンザン記念で17人気で3着に激走したウォーターリヒトは父がドレフォン。こちらも米国産で母母父がサクラバクシンオーというスプリントの名血。
さらに昨年のデイリー杯2歳Sで8人気ながら2着したエンヤラヴフェイスは、母父がデヴィルズバッグ。国別血統タイプは米国型で、スプリントGⅠを勝ったタイキシャトルの父。スプリント大国オセアニアでも活躍しているヘイロー系です。
スプリント血統と米国血統は、体力の完成度とスピードにたけた馬を出しやすいことに加え、京都のマイル戦は米国指向、スプリント指向の適性が要求されやすいため、米国血統やスプリント血統馬が走りやすい。特に牡馬は、スプリント力や米国色を強めた方が好走しやすいです。
もっと言うと、京都芝に限らず、この時期の2歳マイル戦に出走した牡馬は、スプリント、米国寄りの馬の方が走りやすい傾向があります。これは古くから続く血統傾向なのです。
京王杯2歳S(芝1400メートル)を制したパンジャタワーの父はタワーオブロンドン。当舞台に相性のいいミスプロ系でスプリントGⅠ馬。父は朝日杯FSで2着馬とクビ差の3着に好走したように、この時期のマイル戦なら、1400メートル戦と大差のないパフォーマンスを発揮できるでしょう。
さらに母系にはダンチヒ系のケープクロス。2歳戦で重要な体力の完成度とスプリント力を強化する血統で、名牝のソニンク牝系。ディアドラ、ソングライン、ロジユニヴァースも同牝系でGⅠ馬がズラリとそろった一族。GⅠで母系の重要なスケールにもあふれた血統と言えます。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の若手血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。著書「Mの法則×血統ビーム 誰でも使える血統買いパターン」(オーパーツ・パブリッシング)他多数