来季からコンサドーレ札幌で指揮を執る岩政大樹監督が、那須大亮氏のYouTubeチャンネルで監督業について語った。
岩政監督は2022年8月から2023年まで古巣の鹿島アンラーズで監督の任にあり、2024年にはベトナムのハノイFCでチームを率いた。その上で監督とはどんなものなのか、こう結論づけたのである。
「アマチュアの監督とJの監督では少し立場が違って、J1、J2の監督は中間管理職。クラブには(監督より)もっと上の存在があり、選手とその人たちの間に監督がいる。クラブの意向があって、サポーターやスポンサーも含めて、いろんな人たちの中に監督が現場の長としているんだけど、そこは中間管理。他のカテゴリーは基本的に全部、自分で決めることができる。Jの場合は上の意向とクラブの歴史といろんな中で、できることは限られる」
どうやら鹿島ではクラブの上層部や周囲に振り回され、思ったような仕事ができなかったようだ。続けて、
「2023年、スタートでコケたけども、冷静に言えば、そういうこともあると思っていた。ただ、思った以上に周りは騒ぐし、いろんなことを言われる」
そう言って、グチをこぼしたのである。
岩政監督はリーグ戦で4位、5位と、決して悪くない結果を残したが、2023年いっぱいで契約満了。鹿島を去った。契約を更新してもらえなかったことは、次のように自己分析している。
「説得力なんだよね。(チーム作りを)やっていく先に成功があるように見せられなかった。もしくは、伝えられなかった。優勝に届かなくなりそうになった時から、来年に向けて新たなことを始めようと思った。荒木遼太郎や藤井智也、松村優太など個のキャラクターのある選手を使い始めたら、結果が出なくなった。そこで『1シーズンで何を進めてきたのか』みたいな論調が広がって、自分も飲み込まれてしまった。監督は中間管理職という点から言うと、ここがうまく進められないと2年目、3年目にはいけない」
名門の鹿島では周囲に振り回されたが、札幌ではじっくり落ち着いて指揮ができるはず。これまでの経験を生かして、札幌を1年でJ1に戻し、来年には鹿島にリベンジしてほしい。
(鈴木誠)