本来ならば東京・有明アリーナで、ボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチが行われるはずだった12月24日、元2階級王者の亀田大毅氏がYouTubeチャンネル〈亀田大毅〉でつぶやいたのは、こんな言葉だった。
「井上選手はここ1日1日がめちゃくちゃ大事な時間やんか。だって、ずっと強くはないから。この1カ月はもったいないなと思うし、誰も得しない1カ月やな」
王者・井上尚弥とIBF&WBO同級1位のサム・グッドマン(オーストラリア)の試合は、グッドマンがスパーリング中に左目上に裂傷を負ったため、1月24日に延期となった。大毅氏のセリフはこれを受けてのものだが、迷惑をこうむったのはなにも井上だけではないと、大毅氏は言う。
「いちばん可哀想だなと思ったのは、まるごと延期でしょ。選手はそのために仕上げてて、グッドマンのせいでアンダーカードが全部、延期になんねんで」
WBO世界バンタム級王者・武居由樹の防衛戦など、アンダーカードとして組まれていた全6試合も当然ながら、1月24日に延期となっている。
では、延期の原因を作ったグッドマンは得するのかといえば、
「グッドマンの方が不利よね、1カ月だったら。やっぱ(左目上を)切りやすくもなるし、井上選手のパンチ、キレるしね。ジャブとかでも切れるかもわからへんしな。グッドマンは1カ月以上の延期をしたかったと思う」(大毅氏)
井上陣営がそれを許容しなかったであろうことは、大毅氏のコメントから想像できる。大毅氏は歯切れ悪く、こう締めくくった。
「誰も得しないんでね、誰も悪くないんですけど、みんながみんな『持ってない』んやな…」
井上を含む日本の選手はこのフラストレーションを1月24日に爆発させて、結果に結び付けたい。
(所ひで/ユーチューブライター)