大相撲人気が止まらない。昨年は大銀杏が結えないちょんまげ力士2人で3度の優勝を果たしたが、1人横綱の照ノ富士(33)の引退が迫る中、新横綱の誕生が待たれる。10月には34年ぶりのロンドン公演を控え、相撲協会としては気が気ではないようだ。
1月12日に初場所が開幕する。スポーツ紙記者が、
「91年の若貴ブーム以来の盛り上がりです。昨年、全6場所15日間、すべて満員御礼札止めで、初場所のチケットも、ファンクラブ向けの先行予約抽選販売でさえ、『15日間で1日しか取れなかった』なんて声が聞かれたほど」
相撲人気の押し上げに一役買ったのは〝ちょんまげ力士〟の尊富士(25)と大の里(24)の活躍だった。
「前者は3月場所で、新入幕力士として110年ぶりの幕内優勝を飾り、後者は1月場所で新入幕すると、5月場所に西小結で初優勝し、9月場所では2度目の優勝を決め、史上最速で大関昇進を果たした」(前出・スポーツ紙記者)
もちろん、ニューヒーローの活躍ばかりではない。11月の九州場所では、3月に大関昇進したばかりの琴櫻(27)と大関の豊昇龍(25)が13勝1敗で千秋楽決戦。琴櫻が大関5場所目で初優勝を飾り、今回の初場所で綱取りを目指す。スポーツライターが解説する。
「相撲協会は一発で決めてほしいと願っていますよ。今年7月の名古屋場所後にも横綱・照ノ富士の引退が既定路線と言われているからです。師匠の伊勢ヶ濱親方(64)が7月に定年を迎え、ゆくゆくは照ノ富士が部屋を継承するためだと言われています」
もしも照ノ富士が引退すれば、10月のロンドン公演が「横綱不在」という事態になりかねない。
「相撲協会としては最悪、引退後の照ノ富士が横綱の土俵入りを務めるシナリオも」(前出・スポーツ紙記者)
王手をかけている琴櫻、そして豊昇龍、大の里が続けばファン念願の「三横綱時代」の到来だ。
「ただ3人にはウイークポイントがある。共に現代っ子らしく脚が長いので、腰を浮かされてしまう。琴櫻は下半身をより強化して初優勝につながりましたが、序盤戦の取りこぼしが目立つ。土俵際の逆転劇が鮮やかな豊昇龍も、筋肉量を増やし体重も10キロほどアップさせました。後は叔父の元横綱・朝青龍のように低い立ち合いから、どっしりとした攻める相撲に磨きがかかるか」(前出・スポーツライター)
心配なのが、九州場所で9勝6敗だった大の里だ。
「大の里は自慢のスピードを逆手に取られて逆転の投げを食らったり、組まれてから体を寄せられるなど、相手に工夫され始めた」(前出・スポーツライター)
初場所から目が離せない取組が続きそうだが、元横綱白鵬の宮城野親方(39)の動向にも注目が集まっている。
「弟子の暴力問題で揺れた宮城野部屋は、現在も伊勢ヶ濱部屋の預りのままで、部屋付き親方として再教育を受ける身。朝稽古では土俵に上がって胸を出し、2月には『第15回白鵬杯』の開催が決定。ただ、協会から宮城野親方には『目立つパフォーマンスはしないように』とお達しがあったようです。ちなみに、宮城野親方が東京・日本橋に購入済みの新部屋予定地は駐車場のままでプランは白紙の状態」(前出・スポーツ紙記者)
宮城野部屋再興のために派手な言動は〝禁じ手〟として封印したい。