芸能

浅野ゆう子「25歳が賞味期限と言われてた時代」/テリー伊藤対談(3)

テリー 今10代から40代までをざっくり振り返ってもらったけど、いつが一番モテてたの?

浅野 いきなりですね(笑)。うーん。20代ですよ、やっぱり。

テリー 誰にモテてたの?

浅野 20代前半の頃は歌関係の方たちにモテましたね。

テリー 誰?

浅野 誰って、言えないでしょう(笑)。

テリー そういう人とはお付き合いしたんですか。サラッと逃げたんですか。

浅野 サラッと逃げましたね。昔は携帯なんかなくて、自宅の電話しかなかったから、ちょっとだけ違う番号を書いたら、ある方は「ラーメン屋さんにかかった」って。

テリー ええっ、ヒドい女だな。悲しすぎるよ!

浅野 そういうこともありましたね(笑)。

テリー でも、中にはタイプだなっていう人もいたんでしょう?

浅野 30代になると私が素敵だなと思っても、当時はまだ25歳が賞味期限と言われてた時代なので、それを過ぎた女性に下手に声かけると、結婚してくれって言われるんじゃないかっていう怖さがあったみたいで、全然声がかからなくなりました。

テリー その頃、結婚願望ってあったの?

浅野 ありません。昔はデビュー当時からほんとに「二兎を追う者は一兎をも得ず」と、ずっと言われ続けてきましたので。

テリー 芸能界で成功したければ男はダメだと。

浅野 昔はそうでしたよ。なので、若い人たちが交際宣言とかすると、「え、あなた大丈夫ですか」みたいな気持ちになってましたね。今はそれが普通になって、生きやすくなったと思うんですけど。生きづらかったです、まだ。

テリー そうかぁ。

浅野 今じゃ考えられないんですけれども、すごく可哀想な役をやっている時に「だけど家に帰ったら、あの人と幸せよね」みたいな、そういうのが見えたら絶対にダメだと。「そんなんじゃ誰もドラマ見てくれないよ」っていうことも言われました。

テリー すごい時代だね。

浅野 30年以上前ですからね。

テリー じゃあ、恋をすると浅野ゆう子はどうなるんですか。

浅野 遠い昔のことで、覚えてないです(笑)。

テリー 尽くすタイプ?

浅野 真面目だと思います。色々してあげたくなっちゃう。でも、長続きしない。

テリー 何で?

浅野 飽きちゃうから。

テリー アハハハハハ、ヒドい女だな。どのぐらいで飽きちゃうの?

浅野 何か、だらしないなって思った時点でダメになりますね。ちゃんとマメに連絡をくれなかったり、脱いだ靴下を丸めたまま放置したり。最近は何回注意しても夫がそれだから、丸まったまま洗濯機に入れるようにしてます(笑)。

テリー ダンナさん、自分で洗濯機に入れてくれないんだ?

浅野 はい。だから、Tシャツでくるんで拾って、そのまま洗濯機にポイッ。

テリー アハハハ。全然トレンディじゃないじゃん。

浅野 そういうのを我慢ではなく、歩み寄って、「ああ、そうか、仕方ないんだな」って納得できるのが結婚だなと思いました。

テリー 結婚したのは7年前でしたっけ。

浅野 そうです。

テリー どうですか、そういうことがありつつも結婚生活というのは。

浅野 それまでは、例えば誰かとご飯に行ったりするのも、それこそ昔の人間ですから、写真撮られちゃいけないとか、そういうことをすごく考えながら生きてきたんですけれども、「全然普通に一緒に外を歩けるんだ」って。最初の1年ぐらいは、ほんとに不思議で新鮮な時間と経験でした。

ゲスト:浅野ゆう子(あさの・ゆうこ)1960年、兵庫県神戸市生まれ。1974年、「とびだせ初恋」で歌手デビュー。1974年、「太陽にほえろ! 」(日本テレビ系)で俳優デビュー。1976年、8枚目シングル「セクシー・バス・ストップ」がヒット。80年代末から俳優としてドラマ「君の瞳をタイホする! 」「抱きしめたい! 」(共にフジテレビ系)などに主演。「トレンディドラマの女王」として、浅野温子と「W浅野」と呼ばれる。1995年、映画「藏」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞。その他の主な出演作に「ハートに火をつけて! 」「大奥」(共にフジテレビ系)、大河ドラマ「功名が辻」(NHK)など。1月18日(土)大阪・心斎橋PARCO「SPACE14」、26日(日)東京・有楽町「I’M A SHOW」にて「YUKO ASANO 50th ANNIVERSARY SHOW『KANSYA』」開催。

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