巨人に移籍した田中将大は今季、どれだけ勝ち星を挙げることができるのか。田中に対するファンの関心は、それ一点に集中しているのではなかろうか。
阿部慎之助監督は、日米通算200勝は単なる通過点とした上で、
「2ケタを勝って、ジャイアンツのユニホームで一緒に日本一になることしか考えていません」
と大きな期待を寄せている。
ところが巨人OBで野球評論家の江川卓氏の見立ては、かなりシビアなものだった。江川氏は1月6日、自身のYouTubeチャンネルで、巨人の補強に言及。
「人柄は穏やかでいい方で、野球にも真面目に取り組む方なので、そういう人がジャイアンツに来るというのは、カラー的にも合っている」
まずは田中の人柄を評価した。では戦力としてはどうかといえば、
「投げられたとしても楽天の時のように、おそらく黒星先行になる」
これは阿部監督の意に反するものだ。なぜなら、
「先発でやってもらう以上、10勝10敗ではどうしようもない。貯金ができるピッチャーだというのは知っている」
指揮官は田中をそう評していたからだ。そして江川氏は、あと3勝に迫った200勝達成の現実味にも踏み込んだ。
「かなり難しい3勝になる。10日に1回くらいの登板になるんじゃないか。多分、スピードは戻ってこない」
どうやら田中の完全復活はかなり難しい、と考えているようだ。
ダラダラと負けが込み、いつになっても200勝を達成できない…そんな事態だけは避けたいが…。
野球ファンに人気の高いゲーム「パワフルプロ野球」では、田中の「神の子」という能力を削除。「討たれ強さ」はBからFにダウンし、さらに「負け運」が付くなど、能力値はガタ落ちだ。
阿部監督の期待はどこまでも高いが、ゲームの数値を見てもわかるとおり、江川氏の評価はかなり現実的だと考えざるをえない。
(ケン高田)