橋本環奈がヒロインのNHK連続テレビ小説「おむすび」。視聴率が伸び悩んでいることがたびたび報じられているが、年末年始の休止期間直前の第13週「幸せって何なん?」(12月23日~27日)の週平均世帯視聴率(関東地区・ビデオリサーチ調べ、以下同)が12.7%と、これまでの最低記録を更新してしまった。年が明けて1月6日に再開した第66回も12.4%と、低空飛行は変わらず。
大晦日の「第75回紅白歌合戦」では、橋本が3年連続の司会で番組を盛り上げた。「おむすび」の主題歌「イルミネーション」を歌うB’zも特別企画として登場。サプライズで「LOVE PHANTOM」と「urtra soul」をメドレーで披露して、NHKホールの観客だけでなく出演者たちをも熱狂させ、視聴率にも大いに貢献した。だが残念ながら「おむすび」の視聴率アップにはつながっていない。
原因はもちろん、相変わらずのグダグダ展開にある。第66回では米田結(橋本)の恋人・四ツ木翔也(佐野勇斗)が結婚の許可を得るべく米田家を訪れるが、「娘さんを僕に下さい」という定番のセリフを言わせたくない父・聖人(北村有起哉)との間にバトルが勃発してしまう。
翌7日の第67回では、神戸に乗り込んできた元栃木のレディースだという翔也の母・幸子(酒井若菜)と、元スケバンだった結の母・愛子(麻生久美子)がメンチを切り合う展開に。
「朝から寒いコントを見せられ続け、視聴者はアキレてしまったのでは。肝心の結と翔也は結婚したいという気持ちばかりが先走り、どんな生活をするのかまるで見えていない。例えば家賃12万円の新築物件に引っ越したいと考えるわけですが、敷金2・礼金2で前家賃を含めて60万円は最低でも必要なことも認識できていない。節約して貯金することを宣言しても、高卒と専門学校卒の20歳の社員の給料で60万円を貯金するのに、何カ月かかるのか。その前に新築物件が契約されてしまうのでは」(ドラマウォッチャー)
一事が万事この調子で、計画性もなく突発的に行動する登場人物に、視聴者はイライラしっぱなしなのだ。
「これもたびたび指摘されている通り、脚本の杜撰さが根本的な原因なのですが、年が明けても変わらず。栄養士の物語のはずなのに、結が栄養士として活躍する場面はほとんどありません。橋本に関しても、顔芸ばかりで演技力は疑問という声が出つつあり、気の毒な限り」(前出・ドラマウォッチャー)
橋本は「紅白」ではソツなく司会をこなして、視聴者の評判は上々だった。女優よりも司会者の方が向いているのかもしれない。
(石見剣)