西武鉄道は小田急電鉄から譲り受けた「小田急8000形」を改修し、「西武8000系」として初めて、野外で試運転を行った。
この西武8000系は省エネ性能が高い「サステナ車両」として、小田急の中古車を西武鉄道が購入。改修と同時に塗色も改められた。小田急の伝統であるケープアイボリーにロイヤルブルーの帯が入った車体は、白を基調にブルーとグリーンの市松模様が入ったものに変更された。
この塗色に鉄道ファンからは、賛否両論が巻き起こっている。
「西武と小田急をうまく融合したいいデザイン」
「意外と似合っている」
「小田急の青を残してくれてうれしい」
肯定的な意見がある一方で、否定的なものはというと、
「西武のイエローにしてほしかった」
「小田急のイメージが強い」
「いかにもPCでデザインしました、という感じ」
鉄道ライターは、これをどうみるか。
「今のところ意見は真っ二つという印象です。肯定派には小田急のファンが多く、否定派は西武のファンが主だっているように思います。小田急ファンからすれば『ウチのお古を西武に譲ってやった』という優越感があり、西武ファンは『なんで小田急から中古車を購入しないといけないのか』という忸怩たる思いがあるので、こうなるのでしょう」
JRや大手私鉄の中古車両を中小の私鉄が譲り受けて利用することはよくあるが、大手の西武鉄道が同じ私鉄の中古車両を使うのは極めてまれなケース。西武鉄道が導入を決定した時は「西武が小田急に膝を屈した」と言われた。それもあって西武ファンからは、否定的な意見が出ているようだ。
西武鉄道はさらに、東急電鉄からも中古車両を購入する予定。これはどんな塗色になるのか。コトによってはまた、鉄道ファンの間で炎上騒ぎが勃発しかねないのである。
(海野久泰)