昨年48勝を挙げて最多勝利新人騎手賞に輝いた高杉吏麒が、今年の開幕初日に2勝して、好スタートを切った。1番人気馬と2番人気馬によるものであり、順当な勝利だが、2頭とも自厩舎の馬だっただけに、喜びもひとしおだっただろう。ちなみに、昨年リーディング20位以内の騎手で単勝回収率100%を超えたのは高杉だけ。人気薄の馬も勝たせるため、今年も目が離せない。
今週は3日間開催だが、高杉は3日とも中京で騎乗する。土曜6鞍、日曜7鞍、そして月曜8鞍で、計21鞍。そのうち月曜2R(3歳未勝利・ダート1400メートル)のゲイルライダーは昨年12月の新馬戦で1番人気に推され、クビ差2着の素質馬だ。スタートが決まらず道中に追い上げていった分、最後は競り負けてしまったが、3着馬を3馬身離したように、中身は濃い。今回は負けられない一戦だ。
同日の10R、雅S(ダート1800メートル)のフルオールも楽しみな一頭だ。前走の尾頭橋Sは7番人気ながら、後方から36秒5の脚を使ってクビ差の2着。なによりも減り続けていた馬体が増えていたのが良かった。追い込み脚質ゆえ展開に左右されるところはあるが、3勝クラスを勝てるだけの力はある。おそらく5~6番人気で、馬券的妙味は十分だ。
デビュー4年目になる永島まなみもモテモテだ。昨年は32勝と勝ち鞍が前年より18も減ってしまったが、競馬関係者の間では相変わらず人気が高い。2キロ減で騎乗できるのは、やはり大きな魅力なのだろう。開幕週は6頭に騎乗して一度も馬券に絡むことができなかったが、騎乗馬の質からして致し方ない。
今週は3日とも中京で騎乗する。土曜は6鞍、日曜6鞍、そして月曜6鞍の、計18鞍。そのうち土曜9R、渥美特別のサダムオプシスは前走、逃げの手に出て1番人気馬ファーヴェントをクビ差、抑えてみせた。もともとエアグルーヴの2×3という良血馬。もっと上を目指していけるだろう。今回は斤量が3キロ重くなるが、今の軽めの中京は、この馬に合っている。
日曜8R、4歳上1勝クラスのヨシノヤッタルデーも期待十分。ここ3戦は1番人気に推されて2着、4着、16着となっているが、前走を除けばまあまあの走りを見せていた。永島騎乗では未勝利を勝って、続く1勝クラスでも16頭立ての4着に入っている。相性は悪くない。フルゲートで混戦模様の一戦だけに、腕の見せどころとなろう。
(兜志郎/競馬ライター)