2025年の競馬初めはもちろん、1月5日に東西で開催される「金杯」だ。
GⅠを除けば最も売り上げの多い重賞レースで、注目度の高さは抜群。とはいえ、中身はGⅢのハンデ戦。一長一短の馬が「1年の計は金杯にあり」とばかりに勢揃いする。それだけに、馬券戦略には毎年頭を悩ませるファンが多い。だが2025年の金杯について、
「今度の京都金杯は確実に勝てる」
と、関東在住の馬券師ライターT氏は、年末の忘年会で豪語していたのだ。
芝1600メートルで行われる京都金杯だが、昨秋に怒濤の連続開催となった京都競馬場ではなく、今年は中京競馬場で開催される。同じマイル戦だが、右回りから左回りにシフトされることで、
「それこそがポイント」
と、T氏は言うのだ。
実はこの京都金杯、京都競馬場の改修工事の関係で、2021年から2023年の3年間は中京で行われている。T氏はその3年間のデータを無駄にするべきではないと、力説するのだ。
「京都だから、中京だからで、馬券になる馬の人気がガラッと変わるわけではありません。だいたい毎年、5番人気以下の馬が1、2頭は必ず絡んで中穴以上を演出するのが京都金杯です。人気通りに買っている人はバカを見る。ただし中京開催の場合は、激走する馬の傾向がわかりやすい。これを馬券戦略で生かさない手はないでしょう」
T氏のデータによれば、3連単が122万円の大荒れとなった2021年の3頭は、左回りの芝マイル戦を得意とする馬だけで決まったという。
「近走が不振で人気が落ちていただけ。1着ケイデンスコール(12番人気)と2着ピースワンパラディ(2着)は、左回り芝マイル戦での連対率がそれぞれ5割と6割。3着のエントシャイデン(14番人気)はGⅠを除けば、複勝率が6割。他の人気馬をバッサリ切ってでも馬券に入れておくべき、中京マイルの『適正馬』ばかりでした」(T氏)
2022年は同条件レースへの出走が少ない馬が多かったが、左回りという括りなら、複勝率5割のザダル(7番人気)が1着、キャリア8勝を全て左回りコースで挙げていたダイワキャグニー(11番人気)が2着となり、やはり荒れた馬券になっている。
「2023年はGⅠの『安田記念』を除けば、左回りマイル戦で4戦4勝のイルーシヴパンサー(5番人気)が圧勝しました。同条件の重賞全てで入着のエアロロノア(4番人気)が2着で、同じく2戦2勝だったプレサージュリフト(2番人気)が3着。荒れはしませんでしたが、確実に取れる馬券でした。『中京金杯』は馬の適性で当たると言っていい」(T氏)
T氏がこう話す時点で登録馬は発表されていなかったが、調べたところ、出走を表明している馬が21頭(フルゲート18頭)。人気上位予想はドゥアイズ、シャドウフューリー、アスクコンナモンダ、サクラトゥジュール、セッションと続いている。
「昨年の京都金杯でワンツーだったコレペティトールとセッションが出走予定ですが、セッションが一度も馬券になったことがないように、この2頭は左回りではさっぱり。今回はバッサリ切っていい。上位人気では左回りの芝マイルで未勝利のドゥアイズと、休み明けは走らないのに5カ月ぶりのサクラトゥジュールも買いづらい。シャドウフューリーとアスクコンナモンダは、3連単に入れておくべき2頭でしょう」(T氏)
しかし、5番人気以下が例外なく馬券になっている金杯だけに、T氏の軸馬は人気上位馬ではないようだ。
「予想オッズで7~9番人気で並んでいるセルバーグ、マルディランダ、ゴールデンシロップの3頭に目がいきますね。全馬が左回りの芝マイルで2勝、複勝率は6割を超えている。マルディランダのように中山のニューイヤーS(1月13日)と両睨みの陣営があるので、どれを本命とは言いませんが、この3頭が出てきたら間違いなく買いです」
T氏が推奨した1頭、セルバーグはここ5走で一度も馬券に絡んでいないが、中京ならガラリ一変の可能性を秘めるというわけだ。
ちなみに出走を表明している21頭中、左回りの芝マイル戦で複勝率が6割を超えている馬は7頭のみ。このデータをしっかりと頭に入れて、新年の初儲けといこうではないか。
(宮村仁)