ソフトバンクは巨人にFA移籍した甲斐拓也の人的補償に、いったい誰を選ぶのか。昨年12月27日に巨人からプロテクト名簿が届いてから、ソフトバンク側にまだ動きはないが、近日中にミーティングが行われ、小久保裕紀監督も出席するという。
そのミーティングである程度の方向性が明らかになるとの認識を、小久保監督は示しているが、監督自身、リストは「見ていないです」という。
通常、どの球団でも編成が5年10年先を見据えてチームを作るため、監督に人事権はないとされる。小久保監督は「聞かれたら意見を言う」と何度も強調したが、裏を返せばここまで意見を求められていない、ということなのか。
人的補償リストの中身については、巨人側は28人をプロテクトできるが、選手層が厚いだけに、有望選手がプロテクトから漏れる可能性がある。これまで特に取り沙汰されているのが、小林誠司の扱いがどうなっているかだ。
ソフトバンクは昨季、甲斐が117試合に出場し、51試合の海野隆司がそれに続く。2015年ドラフト3位の谷川原健太にも期待がかかるが、昨季はわずか4試合の出場にとどまった。この2人で今季の143試合を回すのはまだまだ厳しいだろう。
となれば、2人がそれぞれひとり立ちできるまでの間、小林を重用するのは悪い選択ではないはずだ。あくまで小林がプロテクトされていなければ、の話だが。
小林は甲斐にも決して劣らない、強肩の持ち主。打撃力の低さがネックになるが、チームの総合力で勝るソフトバンクにおいては、それほど大きな問題にはならないのではないか。
小久保監督は2017年の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍JAPANの監督を務めた際、最も成長した選手として。小林の名前を挙げている。もし編成から助言を求められたら、その名前を再び口にする可能性はあるかもしれない。
(ケン高田)