去る1月20日、第47代米国大統領に再就任したドナルド・トランプ氏。世界を激変させる可能性を秘めた存在ゆえ、ただ注目を集めるばかりではなく、時に本人の命も危険に晒される。そして、その対策のスケールも段違いだった。まるでハリウッド映画のような舞台裏について、まことしやかな証言に耳を傾けよう。
トランプ新大統領(78)の誕生は、アメリカ国内外を問わず大きな影響を及ぼすこととなる。
国際ジャーナリストの山田敏弘氏も指摘する。
「トランプの再任により、米国内では保守派とリベラル派の分断がさらに大きくなるでしょう。対外的には、かねてより対立関係にある中国や中東・中南米の国々に対して、より強硬な姿勢を強めていくはずです。今後ますます両者の対立構造が顕著になれば、トランプのことを疎ましく思う敵対勢力に命を狙われる可能性が十分にあります。暗殺を未然に防ぐために、当然のことながら、すでに大統領直轄の対外情報機関であるCIA(中央情報局)を中心に、その対策は行われているはずです」
トランプ氏は第1次政権時代から、自国の利益を最優先する「米国ファースト主義」を主張してきた。第2次政権となる「トランプ2.0」においても、母国のさらなる繁栄のため、より強硬な姿勢を見せることが予想されている。
結果として、強大な反発がみずからを襲うこともまた予想できよう。
こうした状況下において、すでにトランプ氏には5人の影武者がいる─。
日米関係に詳しい政府関係者は、具体的な数字まで挙げて言及した。実は、激戦を繰り広げた昨年の大統領選挙期間中、たびたび公の場に登場したトランプ氏だったが、その多くが影武者だったというのである。
「正真正銘の本物だったのは、11月6日にフロリダ州パームビーチのコンベンションセンターで勝利宣言をした時だけだったといいます。7月に行われたペンシルベニア州での演説中には、銃撃されて暗殺未遂事件が発生した。右耳から血を流しながらも立ち上がって拳を突き上げた〝あのトランプ〟も影武者だったというのです。もしも、偽者が死亡するような事態になっていた場合、現場から遺体を担架で運んで、その後に奇跡の復活を遂げる─。トランプ陣営がたびたび聴衆を煽動するために積極的に取り入れてきた、プロレス的なシナリオまで用意されていたと聞いています」
「影武者」は陰謀論のように語られることも多いが、今からさかのぼること5500年以上も前、紀元前3500年の古代メソポタミアの時代─。占星術により悪い運勢が出ると、王様に災いが降りかからないように、身代わり王を代役として立てる習わしがあったとされている。
その後の歴史をひもといていくと、古今東西において、情勢不安な状況下にあっては、暗殺やクーデターから時の権力者・指導者の身を守るために、いわゆる「替え玉=影武者」が用意されていたとも言い伝えられている。
先の山田氏が解説する。
「影武者は、英語では『ボディ・ダブル』と言われ、有名な話ではイラク大統領だったサダム・フセインには十数人の影武者が存在し、フセイン体制の崩壊を目指していた米国を中心とする有志連合軍の追跡をかく乱していたとされています。さらに歴史をさかのぼれば、ソ連の建国に尽力したヨシフ・スターリンやキューバのカストロにも影武者がいたことは広く知られています。現代でも、北朝鮮の最高指導者である金正恩、その妹の金与正に複数の影武者がいると言われています」
トランプ氏に成り済ました影武者がいても、決して不思議ではないのである。