阪神タイガースで史上初めて野手でポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を目指す佐藤輝明に、2つの追い風が吹いている。藤川球児監督が春季キャンプに向けた全体会議で、佐藤には外野守備練習を課す考えを示したからだ。岡田彰布政権だった昨年までの2年間は、三塁固定だったが、重要な試合でエラーを連発。昨年は両リーグ最多の23失策を犯し、大きな重荷となっていた。球界関係者はこう分析する。
「仮に外野が主戦場となれば守備の負担が減り、打撃に専念できるでしょう。巨人の岡本和真のように、レフトも守れるようにするのがベスト。チームにとっても佐藤が三塁と外野を守れれば、試合終盤の用兵術にバリエーションが生まれます。将来のメジャー挑戦を視野に入れる佐藤にとって、大きなメリットとなるでしょう。内外野を守れる野手は、アメリカで市場価値が上がっていますから」
将来のメジャーリーグ挑戦を見据え、体重は100キロ手前までデカくして、自主トレに励んでいる。大谷翔平ばりのムキムキボディーに変身しつつあるのだ。2月のキャンプでは近畿大学の先輩、糸井嘉男スペシャルアンバサダー(SA)が臨時コーチに就くことが決まっており、こちらも千載一遇のチャンスとなりそうなのである。
「糸井には入団してからずっと気にかけてもらい、叱咤してもらっていました。佐藤はもともとサボリ癖がありますが、糸井臨時コーチがモチベーターになりますよ。ウエートトレーニングにも一層、力が入るでしょう。糸井氏自身、『広角に逆方向にも打てるようなスイングを伝授する』と意気込んでいます」(在阪メディア関係者)
2024年シーズンはキャリア最少の120試合出場に終わり、打率2割6分8厘、16本塁打だった。巻き返しへ、この追い風を生かしたい。
(田中晃)