芸能

「子供たちへ お金は働いて稼ぎましょう」大竹まことに語った経済アナリスト・森永卓郎「最後の肉声」

 膵臓ガンのステージ4を明かしていた経済アナリストの森永卓郎氏が、1月28日に亡くなったことが明らかになった。森永氏は亡くなる前日まで精力的にラジオ出演していた。

 1月27日付で緊急降板となった生島ヒロシのTBSラジオ「おはよう定食・一直線」(朝5時~)に、早朝にもかかわらず電話生出演。午後1時からは文化放送の「大竹まことのゴールデンラジオ」で、スタジオの大竹まこと、阿佐ヶ谷姉妹とモニター越しにトークを展開した。阿佐ヶ谷姉妹とは布施明の「君は薔薇より美しい」を熱唱。これが森永氏の生前最後のラジオ生放送出演となった。

「この1週間はほとんど食べていません。もう立っていられない」

 番組冒頭に体調悪化を明かしていた森永氏は、1月23日に発売した自著「絵本でわかる経済のおはなし バブルが村にやってきた!」の紹介とともに、リスナーと子供に向けて「お金とは?」の持論を展開。

「子供に伝えたいのは『お金は働いて稼ぎましょう』ってことなんです」

「今は左から右にお金を動かす、投資について書かれた経済本が主流です。そうじゃないぞ。(中略)お金って増えるのは、自分で働いた時と誰かから奪った時だけ。『お金ってなんなの?』を40年間、研究を続けてきた成果です」

 2日後の1月29日、厚生労働省は自民党の社会保障制度調査会に「将来の基礎年金(国民年金)の底上げ案」を提出した。これは国民年金支給額を底上げするため、サラリーマンと勤務先が半分ずつ納めてきた厚生年金の財源を横流しし、国民年金支給額を増額する代わりに、サラリーマンの年金支給額を減額するという暴論だ。この底上げ案を叩き台に自民党は3月、サラリーマンの厚生年金財源を取り崩す関連法案を国会に提出するとみられる。

 森永氏の魂の訴えも虚しく、現実は働けば働くほどカネを奪われ、正直者がバカを見ている。

(那須優子)

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