今春キャンプがC組スタートとなっていたソフトバンクの風間球打が、右手小指の手術を受けた。2月3日の球団発表によると、1月下旬の自主トレ期間中に負ったものだという。しかし、キャンプイン後に痛みがひどくなったため、病院で診断を受けた結果、骨折が判明したそうだ。
風間は2021年のドラフト会議で1位指名されたが、ケガなどもあり、昨秋に構想外を告げられ、育成選手からの出直しとなっていた。だがその後も、球団が台湾でのウィンターリーグに派遣していることから、期待されているのは間違いない。
風間は構想外後、地元メディアの取材で、よかれと思って取り組んだ体重増が「失敗だった」と語っている。「(体重増が)合うか合わないかは(体を)大きくしてからじゃないとわからなかった」とも。
「ソフトバンクは『コーチが必要なくなるのではないか』と言われるくらい、練習機器や最新の測定機がたくさんあるんです」(スポーツ紙遊軍記者)
最新のマシン機器もけっこうだが、体重増のメリットとデメリットを教えてくれる指導者はいなかったのだろうか。
ドラフト1位選手の「挫折」はショックだ。改めて見たところ、ソフトバンクは過去10年間のドラフト会議で7人の高校生を1位指名している。うち5人が投手だ。また、大学生を含めて7人の投手を1位指名したが、先発ローテーション入りはゼロ。内野手2人、外野手1人も1位指名しているが、1軍に定着した選手はいない。
もっとも、2022年1位のイヒネ・イツア、2023年の前田悠伍は「これからの若手」なので、1軍定着について語るべきではないのかもしれない。
しかし、過去10年のドラフト1位選手のうち、すでに2人が現役を引退し、2人が他球団のユニフォームを着ている。ソフトバンクがトレードや外国人選手の獲得、FA選手の補強に熱心な理由は、このへんにもありそうだ。
「昨秋のドラフト1位・村上泰斗がC組スタートとなり、『悔しい』と言って、それを練習にぶつけていました」(前出・遊軍記者)
村上のヤル気はせめてもの救いだが、ドラフト1位選手の育成法の見直しは避けられないだろう。
(飯山満/スポーツライター)