芸能

フジテレビ「昭和黄金時代」がカン違いを生み出した(2)ドリフをオワコンに追いやり

 スターを大集合させた番組もフジの十八番だった。その原点たるバラエティー番組が「楽しくなければテレビじゃない」という標語のもとに制作された「オレたちひょうきん族」(81〜89年)である。

「土曜20時台は、『欽ちゃんのドンとやってみよう!』が巨人戦中継、『8時だョ!全員集合』(TBS系)らとしのぎを削っていた激戦区でした。そこに風穴を開けるべく、ビートたけし(78)、明石家さんま(69)、島田紳助(68)ら漫才ブームで頭角を現した芸人を中心にキャスティングしたのが同番組でした。ドリフターズの作り込まれたコントと違って、芸人たちのアドリブや裏方スタッフまで登場する〝内輪ネタ〟が当時のお茶の間には新鮮でした。しだいにドリフターズをオワコンへと追いやってしまいました」(亀和田氏)

 その成功体験がフジを勘違いさせてしまったのか─。

 そんなDNAを色濃く受け継いだのが「とんねるずのみなさんのおかげです。」(88〜97年)だ。

「石橋が『ダーイシ男』なる当時の石田弘プロデューサー(81)、木梨憲武(62)が『小港さん』なる港前社長をモデルにしたキャラクターを演じるコントが人気でした。当時はテレビの業界用語が目新しかったことと、テレビ制作の裏側を垣間見られるようなコントが視聴者にウケたのでしょう」(上杉氏)

 同番組の骨格は後継の「とんねるずのみなさんのおかげでした」(97〜18年)にチェンジしてもブレることはなかった。一方で、いつまでもスタンスが変わらない。長寿番組ゆえに、後期は世間とのギャップが生じてしまったのも事実だったようだ。

「単に内輪ネタが飽きられただけではありません。とんねるずによる後輩タレントへのイジリや無茶ぶりに、視聴者がドン引きするようになったんです。若手時代の振る舞いは破天荒な笑いとしてウケたかもしれませんが、大御所ともなればパワハラにしか映りません。しかも、制作サイドは視聴者の変化する反応を歯牙にもかけなかった。番組30周年を記念したコーナーで石橋扮する『保毛尾田保毛男』を復活させたのは最たる例。LGBTQへの認知が進んだ平成末期に、ホモセクシュアルを揶揄するようなキャラが一発アウトなのは子供でもわかりそうですが‥‥」(番組制作会社関係者)

 港前社長は会見で「私の20代だった頃はいろんなところが緩かったと思います」と私見をしおらしく述べていたが、「不適切にもほどがある!」はフジテレビだったようだ。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<老人性乾皮症>高齢者の9割が該当 カサカサの皮膚は注意

    330777

    皮膚のかさつきを感じたり、かゆみや粉をふいた状態になったりすることはないだろうか。何かと乾燥しがちな冬ではあるが、これは気候のせいばかりではなく、加齢による皮膚の老化、「老人性乾皮症」である可能性を疑った方がいいかもしれない。加齢に伴い皮膚…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<中年太り>神経細胞のアンテナが縮むことが原因!?

    327330

    加齢に伴い気になるのが「中年太り(加齢性肥満)」。基礎代謝の低下で、体脂肪が蓄積されやすくなるのだ。高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病に結びつく可能性も高くなるため注意が必要だ。最近、この中年太りのメカニズムを名古屋大学などの研究グル…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<巻き爪>乾燥による爪の変形で歩行困難になる恐れも

    326759

    爪は健康状態を示すバロメーターでもある。爪に横線が入っている、爪の表面の凹凸が目立つようになった─。特に乾燥した冬の時期は爪のトラブルに注意が必要だ。爪の約90%の成分はケラチン。これは細胞骨格を作るタンパク質だ。他には、10%の水分と脂質…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「いい人」返上のやす子が「死ねばいいのに!」罵倒…それってフワちゃんと変わらない大問題
2
めるるVS橋本環奈「マネージャー使い倒し」2人の女優の「差」ってナニ!?
3
「中の人が交代すればいい」では済まない「つば九郎」体調不良で休止の「フジテレビいじり」問題
4
中居正広の「凶暴性」を香取慎吾が見抜いていた「ドラゴンボールでたとえるなら」で挙げた人物
5
「住みたい街」に異変!宇都宮ライトレール「駅西側延伸」計画を前倒しした深刻な事情