プロレスリング・ノアのGHCヘビー級王者OZAWAが猛威をふるっている。
2.11後楽園大会のメインイベントで、挑戦者のガレノと対戦。初防衛戦ながら王者の風格たっぷりに圧倒的な存在感を見せつけ、最後はコーナーに飛び乗ってReal Rebelで3カウントを奪った。今やプロレス界はOZAWAを中心に回っていると言っても過言ではないだろう。
今年の1.1日本武道館で清宮海斗が持つGHCヘビー級王座に挑戦し、キャリア2年4カ月での史上最速戴冠を達成。それでもベルトへの思い入れは全くない、と豪語する。旧態依然としたプロレス界の「世直し」を宣言しているのだ。OZAWAフィーバーについて、スポーツライターが解説する。
「身体能力の高さを生かした型破りのファイトだけでも面白いのですが、鼻くそ攻撃など挑発行為も堂に入ったもの。リング外でのパフォーマンスは際立っていて、清宮との対戦前には、過去のパワハラ疑惑や喫煙写真、彼女の存在や同棲まで暴露。それが大きな話題になりました」
正月のプロレスといえば、業界の盟主たる新日本プロレスの1.4東京ドーム大会がおなじみだが、今年はノアが主役の座を奪い、業界関係者の間に衝撃が走った。ノアの興行にも変化が起きているようで、
「ノアには清宮をはじめ、丸藤正道や拳王など人気選手がいるのですが、会場には空席が目立ち、満員札止めになることはほとんどありませんでした。しかしOZAWAが登場してからは、チケット入手が困難になり、会場のグッズ売り場は長蛇の列ができる人気ぶり。メディアも見逃すことはできず、『週刊プロレス』や『KAMINOGE』でもOZAWA特集が組まれ、ますます注目度が上がっています。一方、新日はスター選手不在の厳しい状況なので、正月興行だけでなく、プロレス界がノア一強になる可能性が高まってきました」(前出・スポーツライター)
ヒールでありながら会場の大声援を浴び、人気も実力も疑いの余地なし。OZAWA旋風はどこまで続くのか。
(風吹啓太)