いよいよ今週末からJリーグが開幕する。目玉は昨シーズンに旋風を巻き起こしたFC町田ゼルビアだ。チームを率いる黒田剛監督が、那須大亮氏のYouTubeチャンネルに出演し、今季の町田ゼルビアについて語った。
まずは初めてJ1リーグで戦った昨シーズンを振り返ると、
「激動の1年であって、初めての挑戦でいろんなことを経験させてもらえた。約3カ月半は首位を走らせてもらって追われる苦しみもあれば、また上に引き離されていく苦しみもあれば、いろんなものをシーズンで味わえた。3位になりACL圏内に入れたということはすごくよかったと評価しつつも、この激動を2025年に生かしていかないといけない」
そして今季のチーム作りについても言及。
「町田のベースを大きく変えて、何か新しいことを構築するというわけではなくて、それをベースとしていろんなものを肉付けしていきたい」
昨年からの継続と発展を宣言したのである。
町田は今オフにヴィッセル神戸から菊池流帆、コンサドーレ札幌から岡村大八と、2人のディフェンダーを獲得。Jリーグ屈指の守備陣を構築したが、それには理由があった。黒田監督が明かす。
「今年はACLもある中で、かなり手強いフォワード陣がいることを想定した上で、(相手に)しっかりとプレーをさせない、強くいける、競り負けない、そういう強さのあるセンターバックは絶対に必要。そこは絶対条件として求めていきたいと思っている。既存の頑張ってくれた昌子源を中心として、最少失点に抑えてくれたディフェンス陣がいるので、いい相乗効果というか、競い合いをしながら激しいポジション争いができたら」
ディフェンダーの獲得はACLに向けてのものだったのだ。続けて、
「今年のテーマのひとつとしては、ピッチの中でひとりでも多くのリーダーが存在していること。それがACLも含めた長丁場を乗り切っていく、ひとつの大きい部分だと思いました」
ACLに向けての準備は整っているという。
町田は昨シーズン、一時は首位に立ち、最終的には3位になった。それだけに、今年はJ1制覇に期待がかかるが、
「安易に優勝だけを目標にはしたくない。単純なシーズンではない。1試合1試合が勝負だし、その積み重ねがどうかっていうことでしか順位は出てこないので、まずはしっかりとそこに焦点を絞っていく。最低ラインは5位以上をキープ。やっぱりあわよくば、何かのタイトルには手をかけていきたい。ここ数年で常勝チームとして、J1の中でも上位に君臨していけるようなチーム作りをしていきたい」
ことさら優勝を目標には掲げないが、タイトルは手にしたいという黒田監督。町田ゼルビアのサポーターにとって、楽しみなシーズンになりそうだ。
(鈴木誠)