阪神・大山悠輔の侍ジャパン復帰が、ほぼ確実となった。侍ジャパンは3月5日と6日に、オランダとの強化試合を行う。井端弘和代表監督が12球団のキャンプ地を訪れているのは、それにリストアップされた選手名を内々に告げ、招集が可能かどうかを確認する目的があった。
大山の代表チーム入りは、およそ6年ぶりとなる。本人はもちろん、阪神も代表入りを快諾したという。
関係者によれば、今回のオランダ2連戦を迎えるにあたり、井端監督が最もこだわったのが、大山の招集だという。その理由は、来年3月に迫った次回WBC大会にある。
「前回大会の準決勝、決勝を振り返ると、得点のほどんどがホームランだったんです。長打力のある選手がポイントになります」(ベテラン野球記者)
前回大会のメンバーで一発の破壊力を秘めた選手は大谷翔平、吉田正尚、村上宗隆、岡本和真。日本人メジャーリーガーとは前回大会中に口約束ではあるが、「2026年大会も招集OK」の返事をもらっているという。
しかし、招集の確約がない選手が出てきた。まず村上だが、今オフのポスティングシステムによる米球界挑戦が、規制路線のように伝えられている。
「米球界との交渉とWBCが同時進行となる可能性があります」(前出・ベテラン野球記者)
不透明なのが岡本だ。これまた近年中の米球界挑戦が囁かれているが、それが今オフなのか、来年オフなのかはわからない。その影響だろうか、「他選手もテストしておきたい」という意味もあって、今回のオランダ戦での招集は見送られる方向だ。
「表向きは昨季終盤に痛めた腰痛のため大事をとって、ということになります。日本ハムからは万波中正だけではなく、水谷瞬も呼ぶ方向です」(前出・ベテラン野球記者)
現役ドラフトの経験者が代表入りとなれば、それは夢のある話だ。しかし、岡本の米球界挑戦が今オフとなるのであれば、大山への期待はさらに大きくなる。オランダ戦で大山のバットから快音が聞かれるかどうか、次回WBCを占う上で重要になる。
(飯山満/スポーツライター)