サッカー日本代表の選手が海外各地のリーグで活躍することは、今や当然のこととなった。最近では豊富な資金力で各国の有望選手をかき集める「ビッグクラブ」に所属する選手も増えているが、
「実力どおりの活躍はできていません。イングランド・プレミアリーグで常に上位争いをするアーセナル所属の冨安健洋は、相次ぐケガでシーズンを通して稼働したことはほとんどない。ドイツのブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘンの伊藤洋輝は入団直後に故障し、ようやく出場機会が与えられ始めましたが、まだ実績を残せていません。過去には中田英寿や香川真司、長友佑都らがイタリアのセリアAやブンデスリーガのビッグクラブでの活躍が認められましたが、今は誰もが認める戦力になっている日本人選手となると、プレミアリーグのリバプールに所属する遠藤航ぐらいしかいないでしょう」(欧州事情を知るサッカーライター)
ビッグクラブへのステップアップが期待される選手としては、スペインのラ・リーガのレアル・ソシエダ久保建英、プレミアリーグのブライトン三笘薫の名前が毎度のように取り沙汰されている。しかし久保は昨年2月に、ソシエダとの契約を2029年まで延長。三笘に関しては移籍金が約99億円と高く設定されており、ビッグクラブとしても、そうやすやすと手を出せなくなっている。
「三笘はサウジアラビアのクラブからの140億円超オファーを蹴っています。いくら積まれようと、プレーレベルが落ちるリーグには行かないということ。現時点で最高峰と言われるのは、プレミアリーグですから、ブライトンが同リーグの中堅クラブとして定着した今、移籍の必要性を感じていないのかもしれません」(前出・サッカーライター)
そこでビッグクラブ移籍の最右翼としてその名が挙がってきたのが、セリエAのパルマに所属する日本代表の守護神、鈴木彩艶なのだ。サッカーライターが続けて解説する。
「過去にはプレミアの名門中の名門マンチェスターユナイテッドからオファーを受けましたが、出場機会の多さを重視して、格下となるベルギーリーグのシント・トロイデンに移籍しています。その後もまだマンUやバイエルンが獲得を狙っていると報じられており、最近になってプレミアの強豪チェルシーも秋波を送っているようです」
イタリアは伝統的に守備に重きを置く国で、特にGKへの評価が厳しい。鈴木に対しても「やはり日本人にはGKは務まらない」と酷評される試合は少なくありませんが、逆にメディアに絶賛される試合も増えてきました。パルマはリーグ下位に沈み、降格の危機を迎えています。仮に降格となれば、鈴木の移籍が加速するかもしれません」
まだ22歳と若いだけに「ミスが多く、日本代表としては物足りない」とバッシングされたこともある。だが異国の地では、着実に成長を続けているのだ。